同宿人
『白鯨』の主人公は、しかたなしに見知らぬ人と同宿することになります。
今日読んだ箇所では、主人公は先に横になっていて、同宿人が後から夜遅くに現れます。
この同宿人は、普通にいそうなアメリカ人ではなく、外国人のようです。偶像を拝んだりする様子が描かれていますし、凶器になるものを持っていますし、かなり恐ろしいと思います。
宿屋の場面
『白鯨』の今読んでいるあたりでは、しばらく主人公(やはり「わたし」と称している語り手が主人公なのでしょう)が滞在している宿屋を舞台にした記述が続いています。
最近読んだ『城』にも宿屋の場面があったことを思い出しました。初めて行った地で訪れる宿屋には、わからないことがたくさんあり、そしてそこに集まる人たちと長い時間にわたってそばにいることになります。そのため、何が起こるか予想がつかない場面設定として効果的である気がします。
海に出ること
『白鯨』は「わたし」による一人称の語りの形式で記述されています。読んだことがなくても名前は知っている重要な人物が出てくると思いますので、この語り手が主人公であると判断することはできません。
語り手が船に乗って海に出ようとするところから話が始まります。客としてではなく乗組員としてだと思います。この作品の背景となっている時代には、現在よりも船旅には危険が伴ったと想像します。そうであっても、船に乗り込んで働くことは、たとえば人生をリセットしたいと考えている人にとってチャンスに見えたのではないかと思います。どういう日々が語り手を待ち受けているでしょうか。