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世界文学全集への挑戦、2年目に突入

40代既婚の男がふと思い立って世界文学全集に挑んでいます

龍涎香

 『白鯨』の今日読んだ箇所に、龍涎香というものが出てきました。抹香鯨の腸から採れるものであるようです。龍の涎の香とは、いかにも稀にしかないもののような名称だと思います。どのような香りがするのでしょうか。
 この龍涎香が採れそうな鯨をほかの捕鯨船から奪おうと、主人公が乗った捕鯨船の高い立場の乗組員が、外国のほかの捕鯨船の船長と、その捕鯨船の乗組員を通訳として話します。船長が英語を知らないのを利用して、最初の言葉とは違う内容を通訳が話しながら話し合いが進み、その様子がおもしろおかしく書かれています。同じような場面を何かで見たことがある気がしますが、この作品はかなり昔の作品であることから、これが最初だったのかもしれないと思いました。

捕らえた鯨の所有権

 捕らえた鯨は大きな財産であり、その所有権を保持できるかどうかにはとても重大な意味があると思います。『白鯨』では、捕らえた鯨はだれのものであるかについて、しばらく記述が続いていました。たとえば、鯨に銛を打った捕鯨船と最後にその鯨を捕らえた捕鯨船とが異なる場合に判断が必要になります。
 そのほか、英国の古い法律が紹介されていました。それによると、どのような場合でも捕らえられた鯨はある地位の権力者のものになるとされています。一部が上納されるのではなく、全部が権力者の所有になるならば、危険を冒して鯨を捕る人はいなくなることでしょう。

鯨の牡と牝

 鯨にも、人間と同じように牡と牝とで性質に違いがあるようで、『白鯨』の著者はそれも取り上げています。
 牝の鯨が同じ群れの仲間が捕らえられるときでもそばにいるのに対して、牡の鯨はほかの鯨の状態には構わずに自らの道を行くようです。人間でも、相互のつながりを大切にする女性と、独立的になりがちな男性、というような傾向が見られると思いますので、それに近いように感じます。

新しい命

 『白鯨』の今日読んだ箇所では、主人公たちはボートで鯨を追って鯨の群の中に入ります。
 その中で、授乳中の鯨の親子や、出産をしている鯨について描かれています。このブログの主を含めて一般の人間には、こうした自然の営みを直接見る機会は少ないと思いますが、小説の中に描いてくれているおかげで、初めてでも読みやすい気がします。
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「泡食う」

 『白鯨』の今日読んだ箇所に「泡食う」と訳されている、過度に怯えるという意味の言葉が出てきて、長めの原注が付いていました。その原注によると、この言葉はシェイクスピアの作品にも出てくる古い言葉であるようです。
 その言葉が移民とともに北米大陸に渡ってきて、捕鯨をする人たちに受け継がれた、ということのようで、それ以外の人たちにとってはなじみのない言葉として取り扱われています。鯨捕りの勝手に生み出した野蛮な言葉だろうと思われるが、そうではない、といった記述に、主人公を通して自らの経験を記している著者の誇りを感じます。

鯨の尾

 『白鯨』では、鯨の汐噴きに続いてその尾が話題になります。
 大きさがどの程度か、どのような構造か、どのように使われるかなど、鯨の尾についてこの作品はまた新たに鯨に関する知識を与えてくれています。
 身体の構造からして当然なのでしょうが、鯨にとって、泳ぐときに前に進ませる力は尾からだけ来るようで、それも新しい知識でした。

鯨の汐噴き

 『白鯨』では、主人公が乗っている捕鯨船でのできごとについての記述と、鯨についての記述が入り混じっています。
 鯨についての記述の中で、その汐噴きについて詳しく書かれていました。鯨が汐噴をのための穴を通して呼吸をしていることを知りましたが、これは知っているのが当然のことなのでしょうか。
 また、鯨が噴いている汐が水であるか水蒸気であるかについて少し記述が続きますが、どちらであるかはわからない、とされていました。当時の理解の最前線が書かれているのだと思います。