龍涎香
『白鯨』の今日読んだ箇所に、龍涎香というものが出てきました。抹香鯨の腸から採れるものであるようです。龍の涎の香とは、いかにも稀にしかないもののような名称だと思います。どのような香りがするのでしょうか。
この龍涎香が採れそうな鯨をほかの捕鯨船から奪おうと、主人公が乗った捕鯨船の高い立場の乗組員が、外国のほかの捕鯨船の船長と、その捕鯨船の乗組員を通訳として話します。船長が英語を知らないのを利用して、最初の言葉とは違う内容を通訳が話しながら話し合いが進み、その様子がおもしろおかしく書かれています。同じような場面を何かで見たことがある気がしますが、この作品はかなり昔の作品であることから、これが最初だったのかもしれないと思いました。
鯨の牡と牝
鯨にも、人間と同じように牡と牝とで性質に違いがあるようで、『白鯨』の著者はそれも取り上げています。
牝の鯨が同じ群れの仲間が捕らえられるときでもそばにいるのに対して、牡の鯨はほかの鯨の状態には構わずに自らの道を行くようです。人間でも、相互のつながりを大切にする女性と、独立的になりがちな男性、というような傾向が見られると思いますので、それに近いように感じます。
新しい命
『白鯨』の今日読んだ箇所では、主人公たちはボートで鯨を追って鯨の群の中に入ります。
その中で、授乳中の鯨の親子や、出産をしている鯨について描かれています。このブログの主を含めて一般の人間には、こうした自然の営みを直接見る機会は少ないと思いますが、小説の中に描いてくれているおかげで、初めてでも読みやすい気がします。
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鯨の尾
『白鯨』では、鯨の汐噴きに続いてその尾が話題になります。
大きさがどの程度か、どのような構造か、どのように使われるかなど、鯨の尾についてこの作品はまた新たに鯨に関する知識を与えてくれています。
身体の構造からして当然なのでしょうが、鯨にとって、泳ぐときに前に進ませる力は尾からだけ来るようで、それも新しい知識でした。