3年目の世界文学全集への挑戦

40代既婚の男がふと思い立って世界文学全集に挑んでいます

貧しい生活

 『どん底』を読み進め、登場人物たちの貧しい生活の様子が見えてきました。題名はこの人たちの状況を指しているのではないかと想像します。
 職人として手に職を持っている人たちもその中にいます。これは、まじめに働いても貧しく暮らさざるを得ない庶民の様子を描いているのではないかと思いました。

ゴーリキー『どん底』

 ゴーリキーの『どん底』を読み始めました。岩波文庫に収録されている中村白葉氏の訳によるものを読んでいます。ゴーリキーの作品を読むのは初めてです。
 どん底、とはかなり強い言葉が題名になっていると思いますが、どのようなことが起こるでしょうか。冒頭から人が入り乱れてにぎやかです。

『テレーズ・デスケルウ』を読み終えました

 『テレーズ・デスケルウ』を読み終えました。
 主人公のテレーズが司祭から影響を受けていたようでしたので、カトリックの信仰という方向に話が進んでいくかと思いきや、そういうことではありませんでした。
 既成の観念にとらえられている夫と自由な思想を持っているテレーズとの対比が印象的でした。
 テレーズは、ほかの人がはめようとする枠にはまらず、自分に正直に生きた、ということだと思います。

 『テレーズ・デスケルウ』の主人公であるテレーズが涙を流す場面を読みました。
 この人物が涙を流すのは珍しいと思いましたが、少し読み進めると、初めてであるように記されています。それまで一度もないというのは極端な気がしますが、泣くことがなさそうな印象はありました。
 涙の動機は、あまりつながりが強そうではなかった娘に対する思いでした。関係が希薄そうでも、子に対する親の愛情がテレーズにあったということであると思います。

 『テレーズ・デスケルウ』の主人公のテレーズが夫と衝突した、というか一方的に主張を伝えられた場面を読みました。
 一方的といっても、そうされる理由はあったと思います。
 意外だったのが、夫の態度の動機が自分個人のことでなく家のことから来ていたことです。家の評判を気にしているのが日本人のようでした。フランスでも、地方の狭い世界での生活であればそのような感覚があるということでしょうか。

孤独な聖職者

 『テレーズ・デスケルウ』にある司祭が登場します。この人物は地域の住民からは厳しい評価を受けています。友人はいないようです。
 あまり良い状態にある人物には見えませんが、主人公のテレーズにとっては、そのような人だからこそ自分の思いを理解してもらえるのではないかというように考えるようです。

静寂

 『テレーズ・デスケルウ』の主人公であるテレーズは、田舎に住んでいるので、静寂の中で生活してきていると思いますが、今日読んだ箇所では、普段よりも深い静寂に包まれている様子です。
 ただ音がしないというよりも、心が通う相手がいないことによって感じる静かさであるのだと考えます。気の毒な状態だと思います。