3年目の世界文学全集への挑戦

40代既婚の男がふと思い立って世界文学全集に挑んでいます

共同体の後に残すもの

『夜間飛行』を読む中で、一つポイントになるように思う記述がありました。
 人間は、個人としてではなく共同体として後世に何かを残そうとすることがあり、そのためには仲間に犠牲になってもらうことがある、というようなことが示されているととらえました。そして、それだけの価値があるものとは何か、という問いかけもされているように思います。
 実際に、そのように価値のあるものはあるのでしょうか。そして、そのためには自分以外の人に犠牲になってもらって良いのでしょうか。

包囲

 『夜間飛行』に描かれているあるフライトが緊迫感を増してきました。
 夜間に暴風雨に囲まれ、燃料に余裕があるわけでもない、という状態です。地上との通信は取れているにしても、いつまで可能かはわかりません。
 月も星も見えず、人工的な照明もそれほどの明るさでないようです。その暗さはいかばかりでしょうか。

懲罰

 『夜間飛行』の記述がまた地上の様子に移りました。
 ある高い地位にいる人物が葛藤しながらも部下に懲罰を与えながら管理をしているところが描かれています。不可抗力による問題であってもだれかを罰することで、緊張感をもって働くようにさせている、ということと理解しました。
 良いことだとは思いませんが、命がかかる業務ならばしかたがないのでしょうか。

難航

 『夜間飛行』を読み進めたところ、ある飛行機が難しい飛行を強いられそうになる様子が描かれ始めました。
 まずは、操縦士を見ている無電技師を中心とした記述がされています。不安に思う無電技師の目から見た操縦士の姿を描くことで、直接操縦士について述べるよりも直面している困難について伝わりやすくなっているように思います。

部下との接し方

 『夜間飛行』で、ある上位の立場の人物がさらに上位の人物と話す場面を読みました。
 より上位の人物が、部下との接し方について自分の考えを述べています。このブログの主の考えとは異なります。場合によっては命がけになるような指示をしなければならない可能性があるからこその関係の持ち方なのかもしれません。

特別にたいへんな日

 『夜間飛行』の冒頭で描かれている日は、登場人物たちにとって難しいことが起きている日のようです。
 複数のそれまでになかったようなことが起きているように受け止めましたが、そのような認識で正しいでしょうか。その割には、登場人物たちが心を乱されている様子ではない気がします。
 初めての難しい状況はよくあることで、いちいち慌てたりはしない、ということなのでしょうか。

地上の人たち

 『夜間飛行』はパイロットの話かと思っていた気がしますが、それ以外の役割を担う人たちの様子も多く描かれています。
 確かに、航空の世界はパイロットだけでなく、それよりも多い常に地上で働いている人たちも一緒にチームになって成り立っているのですから、その人たちにも焦点を当てるのはもっともだと思います。