3年目の世界文学全集への挑戦

40代既婚の男がふと思い立って世界文学全集に挑んでいます

怒りの葡萄

 『怒りの葡萄』を読み進める中で、題名と同じ「怒りの葡萄」という表記が出てきました。
 耕作の技術を身に付けて作物がたくさんできるようになっても、安くしか売れなければ、生活して行くことはできない、とのことです。安くしか売れない作物は、食べられないようにしながら破棄されます。
 こういう状況に対する、労働力を提供する側の気持ちを描く中で、怒りの葡萄が大きくなっていくということが記されています。

工作に対する警戒

 『怒りの葡萄』を読み進めたところ、イベントに侵入して工作をしようとしている人たちを警戒して主人公などが動く場面になりました。
 少しエンターテインメントらしい話の運び方になっていると思います。
 このイベントはどういう結末になるでしょうか。

移住民の娯楽

 『怒りの葡萄』の今日読んだ箇所では、西へと移住した人たちの娯楽が描かれていました。
 話の上手な人が話をして周りの人たちがそれを聞いたり、ハーモニカなどの楽器を演奏できる人が演奏をしたり、といった様子が示されています。
 食べるものがないほど貧しければそのようなわけにはいかないと思いますが、お腹が満たされれば娯楽になることをするたくましさは、食べるのに困っていないのにもかかわらず落ち込みやすい身としては見習うべきかもしれません。

自治のための委員会

 『怒りの葡萄』の主人公たちが生活し始めた政府のテント村には、自治のための委員会のようなものがあります。
 新たに加わってきたということで、様子を見たり施設の説明をしに来てくれる場面を読みました。
 親切で善良らしい人たちですが、委員会での地位にこだわる虚栄心も露わになります。変に完璧に描かれるよりも、そういう弱さも示されている方が現実に近くて受け入れやすいと感じます。

気前の良い雇い主

 『怒りの葡萄』の主人公は人からの紹介で仕事をしに行きます。
 その仕事の雇い主はかなり気前の良い人物として描かれています。こういう人には繁栄してもらいたいと思います。しかしながら、この人物がどういう経緯でこのような好ましい姿勢で接してくれるかは今のところは不明です。

良い施設

 『怒りの葡萄』の主人公たちは、一度腰を落ち着けたテント村を後にして別のところに向かいます。
 その結果、設備が良く整っているだけでなく、警察によって追い出されることもないような場所に滞在できるようになります。
 安心できるこのような場があることは、移住民にとっても地元の人たちにとっても良いことであると思いますが、財源を考えると軽い気持ちで設置できるものではなさそうです。

罪悪感

 『怒りの葡萄』のある登場人物は過去にしたことから来る罪悪感に悩んでいます。
 そのことについて人に聞いてもらいたい気持ちもありながら、実際にそうするには至っていません。罪はだれにでもあると言われても、自分の罪は特にひどいと思うことで、それも慰めになりません。この人物はこの状態から脱することができるでしょうか。