3年目の世界文学全集への挑戦

40代既婚の男がふと思い立って世界文学全集に挑んでいます

急な変化

 『レ・ミゼラブル』の主人公は、さまざまなものを失います。
 しかしながら、あっという間に大事なものを取り戻します。この作品には、ほんの少しの記述によって大きなできごとが起きたことになることがときどき見られます。そこは話の本質ではない、ということについては、思い切って割愛しているように思われます。

人が予期せぬ行動

 『レ・ミゼラブル』の主人公が、ほかの人たちがまったく予期していなかった行動をする場面を読みました。
 意外ではあるものの、説得力のある話をしたことから、言っていることは受け入れられたようです。自らにとって不利になりそうな行いをしましたが、それに続く場面の少なくともはじめのうちは、大きな問題は生じていない様子です。

予測不可能な行い

 『レ・ミゼラブル』の主人公が、まわりの人たちが驚くようなことをする場面を読みました。
 その前に起きたことから追いかけている読者にとっては意外でなくても、その場で突然それを見る人にとっては予測不可能なできごとです。この場面の劇的さは、とてもうまく舞台設定がされています。

被告人の弁明

 『レ・ミゼラブル』の裁判の場面から、被告人が弁明をするところを読みました。
 そのように描いていて、しかも、あることがらについてはこの人物の言うことが正しいとわかっているからでしょうが、貧しく教養のない人物が人から理解されない中で懸命に話している、というように見えました。
 それを見ている主人公は黙っていられないだろうと思います。

裁判

 『レ・ミゼラブル』に裁判の場面が出てきました。
 これまでも、例えば、『カラマーゾフの兄弟』で裁判の場面を読んだりしてきました。ほかのことについて描くときでも同じなのでしょうが、法廷でのやり取りをいい加減に描くわけにはいかないでしょうから、筆者の力量がよく現れそうな気がします。

障害

 『レ・ミゼラブル』の主人公は、自ら準備していたことに後押しされて正しいと思う行動に踏み出します。
 途中で障害にぶつかりながら、最善を尽くします。
 途中でもう先に進めなさそうになるところで、したくないという本心のために喜びの思いが出てくるところに、人間の感情がうまく表現されていると感じます。