世界文学全集への挑戦、2年目に突入

40代既婚の男がふと思い立って世界文学全集に挑んでいます

眠れぬ夜

前の記事で『イリアス』には強い人ばかり登場するというようなことを書きましたが、少し読み進めるとすぐにそれが覆されるような記述が出てきました。 登場人物の中でも中心的な人物が、ほかの人たちが眠っている中で眠れぬ夜を過ごします。不安のためにその…

強い人たち

『イリアス』で詳しく描かれる登場人物は、身体能力が高くて戦いに強かったり、家柄が良かったり、という人が多いように思います。そういう人たちのそばには、いわゆる普通の人たちが兵士としてたくさんいるのだろうと思いますが、そういう人たちに焦点が当…

年長者の影響

『イリアス』の今日読んだ箇所では、年長のある登場人物の発言が重大な影響を人に及ぼします。 それまでも、過去の実績に裏打ちされたことを言っている場面があるなど、存在感のある人物ですが、今回は特に大きな働きをしているように見えます。 年長者がそ…

一進一退

『イリアス』で描かれている戦争では、一進一退の攻防が繰り広げられています。 そして、その一進一退には、神々の働きが影響していることが記されています。人間のすることが結果を決めているようには見えません。軍隊については、個人個人の能力、装備、食…

引き分け

『イリアス』で再び行われた代表同士の一騎打ちは引き分けに終わりました。 結果は引き分けですが、そこまでの過程で一方が優勢になっていました。そこで引き分けにしては不公平だと思いました。続けると逆転しそうな力関係だということなのかもしれませんが…

再度の一騎打ち

『イリアス』で描かれている戦争は一進一退の攻防が繰り広げられ、再び代表同士の一騎打ちが行われそうです。 今回は呼びかけられた側ですぐには代表が決まりません。その中での数人の言動がおもしろいと思いました。

子への期待

『イリアス』のある登場人物は、戦争の最中に妻と幼い息子と会います。 この人物は国の中で優れた戦士として評価されていると思いますが、願い事の中で、息子が自分を超える者になることを願っています。 こういう思いは時間や空間を越えて多くの人に共通の…

シドン

『イリアス』の今日読んだ箇所に、シドンという聖書で見たことがある地名が出てきました。 シドンは現在のレバノンに位置していたフェニキア人の都市であるようです。この作品の舞台になっているトロイアは現在のトルコの西の方で、シドンとはかなり距離があ…

前の代の交遊

『イリアス』を読む中で、戦争をしている両軍の先頭に立って戦う登場人物たちが、自分が何者であるかを話し、前の代の人たち同士が知り合いであることが明らかになる場面がありました。 敵と味方に分かれてはいますが、その2人の間では戦うことをしないこと…

泣き言を言う神

前回の記事で扱った血を流す女神に続いて、『イリアス』に、泣き言を言う神の様子が描かれています。 正確には、助けを求めに行った神から泣き言をならべるのはやめぬか、と叱られています。この作品に登場する神々は、死ぬことがなく、医師から手当てを受け…

血を流す女神

『イリアス』の今日読んだ箇所では、女神が人間の攻撃によって傷を受けて血を流す場面がありました。 神々が出てきて人間同士の戦争に介入したりしなかったりというのが不思議でしたが、ついに人間の手にかかって傷を受けさえしました。血を流すといっても、…

大活躍

『イリアス』ではさまざまな人に話の焦点が移ります。 しばらく、ある登場人物の戦場での大活躍の様子が描かれます。この人物に倒される人たちは、その場面に登場するだけだと思いますが、その背景が一人ひとりについて記されています。 そういう効果が狙わ…

偉大な父親

『イリアス』の登場人物のうち、ある人たちは高名な父親を持っているようで、元々、誰々の子という言い方をするようですが、この人たちは父親がどれほど偉大であったかということを聞かされます。 それに対しては、父親との関係がどういうものか、その人自身…

激励

『イリアス』の今日読んだ箇所では、戦争に臨む軍隊の中で、上位の人物が陣営を回って兵たちと兵たちを率いる人たちを激励しています。 特に、兵たちを率いる人たちとの話が記されていますが、相手に合わせて話す内容が異なり、それぞれの特徴が示されます。…

登場人物への呼びかけ

『イリアス』には、以前の記事で取り上げた、語りながら自分の思いを述べるような記述とは異なり、語り手が登場人物に呼びかけている記述もあります。 注によると、その対象は特定の登場人物に限られるようです。そして、その理由は不明だそうです。 口承文…

救出

『イリアス』で決闘の場面を読みました。 もともと強そうに描かれていた人物が勝ちますが、とどめを刺す前に相手は女神によって救い出されます。 こういう介入があると戦争が成り立たないと思いますが、神話の世界はそういうものなのでしょうか。

一騎打ち

『イリアス』の今日読んだ箇所では、対立する二つの軍からそれぞれ代表が前に出てきて一騎打ちが行われそうになっています。 これは、現代の戦争ではないような、昔らしい戦争の一場面であると思います。こういう戦い方が行なわれている時代と場所は、そこか…

アルカディア

『イリアス』に地名としてアルカディアという名が出てきました。 アルカディア市ヶ谷という建物があり、桃源郷を意味すると聞いたことがあった気がしますが、ギリシャの地名だとは知りませんでした。しかも、今でもある地名であるようです。

語り手の思い

『イリアス』の今日読んだ箇所に、この作品の語り手の思いが記されているところがありました。 読み進めながら、語り手は舞台の後ろにいて姿を現さないことを想定していたと思いますが、そうではありませんでした。相当に時代を遡る作品にそういう表現がある…

上田利治さん

今回は本とは別の話題にします。 阪急ブレーブスなどで監督を務められた上田利治さんが亡くなったという報道がありました。 このブログの主は四十代の半ばで、物心ついてプロ野球のことがわかってきた頃に最強だったのが当時の阪急ブレーブスでした。テレビ…

古代ギリシャ語

いま読んでいる岩波文庫の『イリアス』は、詳しい注がつけられていて、中には本文で使われている訳とそれ以外の説とが紹介されている言葉があります。 原文で使われているのは古代ギリシャ語だと思いますが、現代とはかなりの時間の隔たりがある言葉であるこ…

9年の出征

『イリアス』のいま読んでいるあたりで中心として描かれている軍隊は、出征して9年になるようです。 家族を離れて9年も出征しているというのは、かなり長い期間だと思います。『イリアス』が書かれた当時には、そのように長い出征が一般的だったのでしょうか…

「夢」

『イリアス』にカギカッコつきの「夢」が登場しました。 人間の形を取って寝ている人の枕もとに現れ、言葉を伝えます。後で、言葉を受けた人が正確にその言葉を繰り返していることから、とても強く伝わっているという設定であると考えます。。 夢の中で語り…

牛眼

『イリアス』を読んでいたら、女性の名前の枕詞として、「牛眼の」という言葉が出てきました。牛の眼のように美しい目をしている、というところから来たのだと思いますが、意外な表現です。 聖書の雅歌で、愛する女性に対して男性が、あなたの目は鳩のようだ…

枕詞

文学史について学んだときに、『イリアス』は叙事詩であると教わった記憶があります。 いま読んでいる訳は注が充実していますが、その中で、枕詞のようなものが説明されています。「光」の前にくる「ひさかたの」のような決まり文句があるようで、そういうと…

ホメロス『イリアス』

今日、ホメロスの『イリアス』を読み始めました。 岩波文庫に収録されている松平千秋氏の訳によるものを読んでいます。難解な作品かと思っていたら、訳のおかげか思っていたよりも読みやすいと感じています。それでも、時代背景をまったく知らなかったり、な…

『どん底』を読み終えました

今日、第4幕という最後の幕を読み、『どん底』を読み終えました。 高い理想を持って発言してきた登場人物による、人間はよりよきもののために生きている、解釈して言い換えれば、後の時代の人たちのよりよい生活のために生きている、というような発言が紹介…

人の入り乱れ

『どん底』の恐らく最後の幕の直前まで読み進めました。 それまでさまざまな方面から展開してきた事柄が一つのところにまとまってきて、そしてぶつかり、人が入り乱れて、それまで味方同士であったはずの人々の間に亀裂が入りもします。人の命に関わるような…

静寂

『どん底』の今日読んだ箇所では、静寂があることがト書きに示されているところが少し間を空けて続いていました。 ドアが音を立てて閉まった後の静寂と、登場人物が静かに立ち去った後の静寂ということで、相互に異なる入り方がそれぞれの静寂に別々の印象を…

真実

『どん底』の今日読んだ箇所では、登場人物たちが真実や嘘といったことについて話しています。 その中で、ある登場人物は、真実のつらさに圧倒されてしまったようです。この人物にとっての真実は、貧しいことだったり、生活がしづらいことだったり、といった…

夏至

今日は本とは違う話題にします。 今年も夏至が過ぎ去りました。昼が最も長い日が終わり、これから半年、日に日に昼が短くなっていきます。残念というか寂しい気がします。

登場人物たちの唄

『どん底』の中で、人々のセリフに混じって複数の登場人物が唄(いま読んでいる訳ではこの字が使われています)を歌っています。 歌われているのは、第一幕が始まる前に音符つきで紹介されている唄です。登場人物たちの多くに共通する思いを唄に乗せていると…

もの柔らかい人

『どん底』の第一幕を読み終えました。 第一幕の最後で、恵まれない境遇に生まれ育った登場人物が、ある人物のことを父親のような、もの柔らかい人だ、と言っています。それに対して、言われた人は、もまれすぎて柔らかくなったと答えています。そういう人は…

巡礼

『どん底』の今日読んだ箇所で気になる記述がありました。 巡礼として紹介されている登場人物が、巡礼であるかを問われて、地球の上にいるならば自分たちは皆、巡礼だ、と答えています。わかったような気がしてしまいましたが、少し考えました。 巡礼とは、…

貧しい生活

『どん底』を読み進め、登場人物たちの貧しい生活の様子が見えてきました。題名はこの人たちの状況を指しているのではないかと想像します。 職人として手に職を持っている人たちもその中にいます。これは、まじめに働いても貧しく暮らさざるを得ない庶民の様…

ゴーリキー『どん底』

ゴーリキーの『どん底』を読み始めました。岩波文庫に収録されている中村白葉氏の訳によるものを読んでいます。ゴーリキーの作品を読むのは初めてです。 どん底、とはかなり強い言葉が題名になっていると思いますが、どのようなことが起こるでしょうか。冒頭…

『テレーズ・デスケルウ』を読み終えました

『テレーズ・デスケルウ』を読み終えました。 主人公のテレーズが司祭から影響を受けていたようでしたので、カトリックの信仰という方向に話が進んでいくかと思いきや、そういうことではありませんでした。 既成の観念にとらえられている夫と自由な思想を持…

『テレーズ・デスケルウ』の主人公であるテレーズが涙を流す場面を読みました。 この人物が涙を流すのは珍しいと思いましたが、少し読み進めると、初めてであるように記されています。それまで一度もないというのは極端な気がしますが、泣くことがなさそうな…

『テレーズ・デスケルウ』の主人公のテレーズが夫と衝突した、というか一方的に主張を伝えられた場面を読みました。 一方的といっても、そうされる理由はあったと思います。 意外だったのが、夫の態度の動機が自分個人のことでなく家のことから来ていたこと…

孤独な聖職者

『テレーズ・デスケルウ』にある司祭が登場します。この人物は地域の住民からは厳しい評価を受けています。友人はいないようです。 あまり良い状態にある人物には見えませんが、主人公のテレーズにとっては、そのような人だからこそ自分の思いを理解してもら…

静寂

『テレーズ・デスケルウ』の主人公であるテレーズは、田舎に住んでいるので、静寂の中で生活してきていると思いますが、今日読んだ箇所では、普段よりも深い静寂に包まれている様子です。 ただ音がしないというよりも、心が通う相手がいないことによって感じ…

型にはまっていない人物

『テレーズ・デスケルウ』の主人公であるテレーズは、それまで人から評判を聞くだけだった男性と直接会って話します。 この人物が心をさらけ出して話すことが珍しかったようです。そして、テレーズ自身もまわりの人たちも、型にはまっているというか、ある一…

英国の総選挙

今回は本とは別の話題にします。 英国で総選挙が行われ、与党の保守党が過半数の議席を獲得できませんでした。労働党に追い上げられているという世論調査の情報どおりでした。 小選挙区の選挙で議席数が拮抗するのは意外な気がします。 去年の国民投票といい…

思いを映し出す鏡

新婚旅行から帰ってきた『テレーズ・デスケルウ』の主人公であるテレーズは、親しい友人の恋愛に関わることになります。 その友人と向き合う中でテレーズは、鏡を見たかのように、自らの思いに気づきます。自分と違う思いを友人の中に見たことがきっかけにな…

すれ違い

『テレーズ・デスケルウ』の今日読んだ箇所では、主人公の回想が続けていました。 結婚してすぐ、主人公と夫との間にすれ違いが生じていました。実際によくありそうですが、正面から向き合うことをしないことで、一緒にいながらも関係が成長しなくなっている…

回想

『テレーズ・デスケルウ』の記述は、主人公と同行者の動きに続いて、主人公による過去の回想へと進みます。 結婚する前のことを思い出していて、富裕な家庭に育ったことや、賢い人であることが情報として示されます。 そして、結婚以前の生活、特に友人との…

帰宅

『テレーズ・デスケルウ』の冒頭は、名前が題名になっている主人公が、ある事件に関して起訴されないことがわかって家に向かう場面です。 ほかの登場人物との間で、主人公が何をしたかを推測できるような会話が行われています。

モーリアック『テレーズ・デスケルウ』

今日、モーリアックの『テレーズ・デスケルウ』を読み始めました。 講談社文芸文庫に収録されている遠藤周作氏の訳によるものを読んでいます。 まず、名前が題名になっている主人公と2人の人物が登場します。会話は重たく、天候もどんよりとしていて、かなり…

『白鯨』を読み終えました

今日、『白鯨』を読み終えました。 最後は、簡潔な記述でモービィ・ディックとの闘いの様子が締めくくられました。細かいことに触れていないことで余韻を感じやすいように思います。 主人公が乗った捕鯨船の船長にとっては、できることをすべてしたというこ…

目標

『白鯨』を読み進め、かなり終わりに近づいてきました。 モービィ・ディックとの対決が続きます。主人公が乗った捕鯨船の船長はあきらめずに挑み続けます。それを止めようとする人物もいますが、この船長にとってはモービィ・ディックに復讐することが人生の…