世界文学全集への挑戦、2年目に突入

40代既婚の男がふと思い立って世界文学全集に挑んでいます

牛眼

『イリアス』を読んでいたら、女性の名前の枕詞として、「牛眼の」という言葉が出てきました。牛の眼のように美しい目をしている、というところから来たのだと思いますが、意外な表現です。 聖書の雅歌で、愛する女性に対して男性が、あなたの目は鳩のようだ…

枕詞

文学史について学んだときに、『イリアス』は叙事詩であると教わった記憶があります。 いま読んでいる訳は注が充実していますが、その中で、枕詞のようなものが説明されています。「光」の前にくる「ひさかたの」のような決まり文句があるようで、そういうと…

ホメロス『イリアス』

今日、ホメロスの『イリアス』を読み始めました。 岩波文庫に収録されている松平千秋氏の訳によるものを読んでいます。難解な作品かと思っていたら、訳のおかげか思っていたよりも読みやすいと感じています。それでも、時代背景をまったく知らなかったり、な…

『どん底』を読み終えました

今日、第4幕という最後の幕を読み、『どん底』を読み終えました。 高い理想を持って発言してきた登場人物による、人間はよりよきもののために生きている、解釈して言い換えれば、後の時代の人たちのよりよい生活のために生きている、というような発言が紹介…

人の入り乱れ

『どん底』の恐らく最後の幕の直前まで読み進めました。 それまでさまざまな方面から展開してきた事柄が一つのところにまとまってきて、そしてぶつかり、人が入り乱れて、それまで味方同士であったはずの人々の間に亀裂が入りもします。人の命に関わるような…

静寂

『どん底』の今日読んだ箇所では、静寂があることがト書きに示されているところが少し間を空けて続いていました。 ドアが音を立てて閉まった後の静寂と、登場人物が静かに立ち去った後の静寂ということで、相互に異なる入り方がそれぞれの静寂に別々の印象を…

真実

『どん底』の今日読んだ箇所では、登場人物たちが真実や嘘といったことについて話しています。 その中で、ある登場人物は、真実のつらさに圧倒されてしまったようです。この人物にとっての真実は、貧しいことだったり、生活がしづらいことだったり、といった…

夏至

今日は本とは違う話題にします。 今年も夏至が過ぎ去りました。昼が最も長い日が終わり、これから半年、日に日に昼が短くなっていきます。残念というか寂しい気がします。

登場人物たちの唄

『どん底』の中で、人々のセリフに混じって複数の登場人物が唄(いま読んでいる訳ではこの字が使われています)を歌っています。 歌われているのは、第一幕が始まる前に音符つきで紹介されている唄です。登場人物たちの多くに共通する思いを唄に乗せていると…

もの柔らかい人

『どん底』の第一幕を読み終えました。 第一幕の最後で、恵まれない境遇に生まれ育った登場人物が、ある人物のことを父親のような、もの柔らかい人だ、と言っています。それに対して、言われた人は、もまれすぎて柔らかくなったと答えています。そういう人は…

巡礼

『どん底』の今日読んだ箇所で気になる記述がありました。 巡礼として紹介されている登場人物が、巡礼であるかを問われて、地球の上にいるならば自分たちは皆、巡礼だ、と答えています。わかったような気がしてしまいましたが、少し考えました。 巡礼とは、…

貧しい生活

『どん底』を読み進め、登場人物たちの貧しい生活の様子が見えてきました。題名はこの人たちの状況を指しているのではないかと想像します。 職人として手に職を持っている人たちもその中にいます。これは、まじめに働いても貧しく暮らさざるを得ない庶民の様…

ゴーリキー『どん底』

ゴーリキーの『どん底』を読み始めました。岩波文庫に収録されている中村白葉氏の訳によるものを読んでいます。ゴーリキーの作品を読むのは初めてです。 どん底、とはかなり強い言葉が題名になっていると思いますが、どのようなことが起こるでしょうか。冒頭…

『テレーズ・デスケルウ』を読み終えました

『テレーズ・デスケルウ』を読み終えました。 主人公のテレーズが司祭から影響を受けていたようでしたので、カトリックの信仰という方向に話が進んでいくかと思いきや、そういうことではありませんでした。 既成の観念にとらえられている夫と自由な思想を持…

『テレーズ・デスケルウ』の主人公であるテレーズが涙を流す場面を読みました。 この人物が涙を流すのは珍しいと思いましたが、少し読み進めると、初めてであるように記されています。それまで一度もないというのは極端な気がしますが、泣くことがなさそうな…

『テレーズ・デスケルウ』の主人公のテレーズが夫と衝突した、というか一方的に主張を伝えられた場面を読みました。 一方的といっても、そうされる理由はあったと思います。 意外だったのが、夫の態度の動機が自分個人のことでなく家のことから来ていたこと…

孤独な聖職者

『テレーズ・デスケルウ』にある司祭が登場します。この人物は地域の住民からは厳しい評価を受けています。友人はいないようです。 あまり良い状態にある人物には見えませんが、主人公のテレーズにとっては、そのような人だからこそ自分の思いを理解してもら…

静寂

『テレーズ・デスケルウ』の主人公であるテレーズは、田舎に住んでいるので、静寂の中で生活してきていると思いますが、今日読んだ箇所では、普段よりも深い静寂に包まれている様子です。 ただ音がしないというよりも、心が通う相手がいないことによって感じ…

型にはまっていない人物

『テレーズ・デスケルウ』の主人公であるテレーズは、それまで人から評判を聞くだけだった男性と直接会って話します。 この人物が心をさらけ出して話すことが珍しかったようです。そして、テレーズ自身もまわりの人たちも、型にはまっているというか、ある一…

英国の総選挙

今回は本とは別の話題にします。 英国で総選挙が行われ、与党の保守党が過半数の議席を獲得できませんでした。労働党に追い上げられているという世論調査の情報どおりでした。 小選挙区の選挙で議席数が拮抗するのは意外な気がします。 去年の国民投票といい…

思いを映し出す鏡

新婚旅行から帰ってきた『テレーズ・デスケルウ』の主人公であるテレーズは、親しい友人の恋愛に関わることになります。 その友人と向き合う中でテレーズは、鏡を見たかのように、自らの思いに気づきます。自分と違う思いを友人の中に見たことがきっかけにな…

すれ違い

『テレーズ・デスケルウ』の今日読んだ箇所では、主人公の回想が続けていました。 結婚してすぐ、主人公と夫との間にすれ違いが生じていました。実際によくありそうですが、正面から向き合うことをしないことで、一緒にいながらも関係が成長しなくなっている…

回想

『テレーズ・デスケルウ』の記述は、主人公と同行者の動きに続いて、主人公による過去の回想へと進みます。 結婚する前のことを思い出していて、富裕な家庭に育ったことや、賢い人であることが情報として示されます。 そして、結婚以前の生活、特に友人との…

帰宅

『テレーズ・デスケルウ』の冒頭は、名前が題名になっている主人公が、ある事件に関して起訴されないことがわかって家に向かう場面です。 ほかの登場人物との間で、主人公が何をしたかを推測できるような会話が行われています。

モーリアック『テレーズ・デスケルウ』

今日、モーリアックの『テレーズ・デスケルウ』を読み始めました。 講談社文芸文庫に収録されている遠藤周作氏の訳によるものを読んでいます。 まず、名前が題名になっている主人公と2人の人物が登場します。会話は重たく、天候もどんよりとしていて、かなり…

『白鯨』を読み終えました

今日、『白鯨』を読み終えました。 最後は、簡潔な記述でモービィ・ディックとの闘いの様子が締めくくられました。細かいことに触れていないことで余韻を感じやすいように思います。 主人公が乗った捕鯨船の船長にとっては、できることをすべてしたというこ…

目標

『白鯨』を読み進め、かなり終わりに近づいてきました。 モービィ・ディックとの対決が続きます。主人公が乗った捕鯨船の船長はあきらめずに挑み続けます。それを止めようとする人物もいますが、この船長にとってはモービィ・ディックに復讐することが人生の…

リターンマッチ

『白鯨』の主人公が乗った捕鯨船は、船長の的確な指示により、再度目的とするモービィ・ディックと出会うことができました。 この頃には、乗組員たちも集団として興奮状態になっているようです。一体感はあるかもしれませんが、冷静な判断力を持てるでしょう…

対決

『白鯨』もかなり終わりに近づいてきました。ついに、タイトルになっている白い鯨のモービィ・ディックが主人公の乗った捕鯨船の前に姿を現しました。 この捕鯨船の船長にとって待ちに待った対決のときです。 モービィ・ディックの強さが活き活きと描かれて…

『白鯨』の今日読んだ箇所で、意外に思うようなことがありました。主人公が乗っている捕鯨船の船長が涙を流して思いを口にしたことです。 強さが前面に出ていたこの人物にも心の痛みがあることが示されたように思います。40年間、恐らくあまり思いを打ち明…

執着

『白鯨』の主人公が乗った捕鯨船の船長は、自分に深手を負わせた鯨への復讐について強い思いを持っています。というよりも、その思いに支配されているようです。 ほかの人に対する共感など、人生にとって大きな意味を持つ感情を持つ余地がなくなってしまって…

救命浮標

『白鯨』で少し前に出てきた、ある登場人物のために作られながら使われなかった柩が再び出てきています。 今度は、加工して、遭難したときにつかまって沈まないようにするための救命浮標にすることになりました。こういう再登場をさせるために作られていたの…

犠牲者

『白鯨』の主人公が乗った捕鯨船での不安げな様子が続いています。それだけでなく、実際に命を落とす人が出てきました。 本文自体がほのめかしているのでネタバレらしいことを書くと、さらに大きな被害に向けて、不本意に思う人がいながらも、進んでいってい…

葛藤

『白鯨』を読み進め、結末に近づいてきました。天候も人々の様子も不安な暗い感じになってきました。 そのような中で、ある登場人物の心の葛藤が印象に残りました。主人公が乗っている捕鯨船の乗組員の中では物事を真剣に考える方に属する人物だと思います。…

狂気

夜中の海の上で雷雨に見舞われるのはとても不気味だと思います。『白鯨』の主人公が乗った捕鯨船はそのような状況にあります。 その中で船長が狂気じみた言動を示すことで不気味さがさらに増幅されます。出発した地に戻れないわけではありませんが、それ以上…

台風

『白鯨』を読み進めると、日本近海らしく台風(いま読んでいる訳では「颱風」となっています)が発生して、主人公の乗った捕鯨船を襲います。 暗闇の中で台風に遭って、それだけでもたいへんなはずですが、様子が描かれている人物たちの思いがバラバラである…

日本近海の日差し

『白鯨』の主人公が乗った捕鯨船は日本近海に来ています。 日本のそばを航行しているときの日光の様子が描かれていましたが、かなり強い日差しという印象です。 季節によると思いながらも意外だと受け止めましたが、主人公たちが出帆した地がマサチューセッ…

再起

『白鯨』の登場人物には、過去について詳しく記されている人は少ないのですが、主人公が乗った捕鯨船のある年老いた乗組員について紹介されています。 腕のいい職人だったようですが、身を持ち崩してしまったとのことです。 そして、捕鯨船の乗組員として海…

棺の注文

『白鯨』の今日読んだ箇所で、ある登場人物が病気で死を覚悟するような状態になり、自分のための棺を作るように頼んでいました。 この人物については、もっと前の方で、どのような死に方をするかが書かれていましたが、それとは様子が違いました。望みがない…

進言

『白鯨』の主人公が乗っている捕鯨船のある高い地位の人物が船長に進言をする場面を読みました。 船長とは異なる意見を妥協せずに伝えていますが、ほかのところでも船長の考えに異議を唱えていました。 イエスマンだけに囲まれると判断を誤りやすくなるでし…

絶滅の恐れ

『白鯨』の今日読んだ箇所で、語り手である主人公は、人間の捕鯨のために鯨が絶滅する恐れについて触れています。鯨は絶滅しないというのがその結論です。 これはまだ手で漕ぐボートに乗って手で投げる銛や槍を使って鯨を捕っていた時代の話ですので、その後…

知りたい思い

『白鯨』の今日読んだ箇所では、鯨の骨や鯨の化石について触れられていました。 もちろんそれらはとても大きいのですが、その大きいということが、主人公にとって重要なことである様子です。対象が大きな存在であるからこそ、普通のものにくらべて、熱心に良…

執念

『白鯨』の主人公が乗った捕鯨船の船長は、戦って片脚を失うことになった相手の鯨に復讐することについて強い思いを持っています。執念というのでしょうか。 同じ鯨のために片腕を失った別の捕鯨船の船長には復讐しようという思いはないようです。 こうして…

イギリスの捕鯨船との出会い

『白鯨』の主人公が乗った捕鯨船は、今度はイギリスの捕鯨船と出会いました。 その船の船長は、白鯨との戦いで片腕を失ったようです。主人公が乗った船の船長は同じ鯨との戦いで片脚を失っており、共通点があります。 この出会いによって、主人公たちが追っ…

独り言

『白鯨』を読み進め、主人公が乗っている捕鯨船の乗組員たちの独り言がたくさん紹介されている箇所を読みました。 旧約聖書のダニエル書に登場する王について、ある人物が独り言の中で話しています。この独り言の内容は結末に向けた暗示になっているようです…

「空の空なる哉都て空なり」

『白鯨』の今日読んだ箇所には、主人公の思いが強く表現されていたように思います。 書物のうちでもっとも真実を教えるのはソロモンの書であるとして、ソロモンによる旧約聖書の「伝道之書」から「空の空なる哉都て空なり」という言葉を引用しています。 す…

結末に向けた情報の出し方

『白鯨』には、主人公が乗った捕鯨船の乗組員に後々起こることがほのめかされる箇所がいくつかあります。今日読んだ箇所では、ある乗組員が海上に漂うことになった場面がありましたが、それが主人公にも起こるということが示されました。 読者としてのこのブ…

龍涎香

『白鯨』の今日読んだ箇所に、龍涎香というものが出てきました。抹香鯨の腸から採れるものであるようです。龍の涎の香とは、いかにも稀にしかないもののような名称だと思います。どのような香りがするのでしょうか。 この龍涎香が採れそうな鯨をほかの捕鯨船…

捕らえた鯨の所有権

捕らえた鯨は大きな財産であり、その所有権を保持できるかどうかにはとても重大な意味があると思います。『白鯨』では、捕らえた鯨はだれのものであるかについて、しばらく記述が続いていました。たとえば、鯨に銛を打った捕鯨船と最後にその鯨を捕らえた捕…

鯨の牡と牝

鯨にも、人間と同じように牡と牝とで性質に違いがあるようで、『白鯨』の著者はそれも取り上げています。 牝の鯨が同じ群れの仲間が捕らえられるときでもそばにいるのに対して、牡の鯨はほかの鯨の状態には構わずに自らの道を行くようです。人間でも、相互の…