『少年時代』を読み終えました
トルストイの自伝三部作の真ん中の『少年時代』は、形而上学的な事柄について真剣な議論をすることができる友人を得るところで終わりました。その関係は続きの『青年時代』にも登場すると思いますが、トルストイの思想に大きな影響を与えたことでしょう。
臆病は自尊心の過剰に由来する、といったことを議論する様子が描かれています。これはその通りだと思います。
ところで、「臆病」と「自尊心」と「過剰」と「トルストイ」という語でGoogleで検索してみたら、中島敦の『山月記』に「臆病な自尊心」という表現が出ていたことがわかりました。高校生のときに読んだ小説ですが、主人公が虎になった理由としてそれを挙げていたことは覚えていませんでした。
真剣に議論できる友人は貴重です。このブログの主にも幸いにしてそういう存在になってくれた人たちがいます。そのありがたみを考えることができました。
『少年時代』は、トルストイの思想がどのように形作られていったかを示してくれて興味深い作品でした。今からでも思索を行うことを通して成熟していきたいと思います。
明日からは『青年時代』を読むつもりです。