3年目の世界文学全集への挑戦

40代既婚の男がふと思い立って世界文学全集に挑んでいます

大学生としての日々

 大学生になったということで主人公が新しい交流の場に顔を出す様子が『青年時代』の終わり近くで描かれています。舞踏会に参加して社交界にデビューしたり、クラスにいる別の貴族の家庭で開かれたクラスの一部の人だけが招かれる集まり(同級会)に参加したり、といったことをしていますが、それを楽しめてはいなかったようです。

 また、心にあるさまざまな思いを打ち明け合ってきた親友との関係にも変化が生じてきたことが述べられています。

 同級会の場ではお酒が出て、まわりの人たちは楽しく騒いでいたようですが、それに加わる気になれないところは、ほかの人たちよりも物事を深く考えていたことからくるものでしょうか。その反面、親友との間では、真剣なことを話してきたからこそ関係が近くなっていたにもかかわらず、話し合ってきた深い内容の事柄とは別のことが気に障って衝突してしまいます。感情に流されてその場だけ楽しければいいというようにふるまうことはできず、そうかといって感情の影響を受けずに常に冷静でいられるわけでもない、というのは青年時代によくありそうです。しかしながら、我が身を省みると今でもありますので、その時期に限ったことでもないのでしょう。