3年目の世界文学全集への挑戦

40代既婚の男がふと思い立って世界文学全集に挑んでいます

動きが激しくなってきました

 主人公が命じられた作戦の実行予定の日に日付が変わるあたりで、『誰がために鐘は鳴る』ではさまざまな角度から人々の行動が描写されるようになってきました。

 マドリードにいる共和国側の人たちや、主人公が手紙を預けた仲間の一人の様子が描かれるとともに、主人公の回想の中でその祖父の世代まで話がさかのぼったり、愛する女性とともに過ごせる最後になるかもしれない夜の言動が記されていたりします。場面が次々と変わったり、主人公がトラブルに遭遇したりして、クライマックスに向けて緊張が高まっているように思います。その中で、戦闘の場から離れたマドリードにいる人たちについては緊迫感がなさそうな印象で、対照的であると感じます。

 戦闘が間近に迫った主人公の側の人たちにとって状況は難しいように描かれていますので、ここから都合良く話が進んでしまうのは安っぽい気がしますし、そうはいっても残念な結末にはなってもらいたくないとも思います。どうなっていくでしょうか。