車輪の下敷き
『車輪の下で』を読む中で、作品のタイトルと同じような言葉が出てきました。
主人公が校長から学業の成績が下がってきていることを注意される中で、手を抜くと車輪の下敷きになってしまう、というようなことを言われます。
校長が最も問題視しているのは、成績の下降ではなく、その理由であると考えている主人公の交際でした。国が関わっている学校という権威にとって好ましからざる者との交際を控えさせようとする働きかけが行われています。善意からの行いなのでしょうが、一方的な見方に由来するものでもあります。その一方的な見方を継承する者をつくるのがこの学校の機能であるように思われます。
勉強の手を抜くことに限らず、というよりも、それ以上に主人公が下敷きにされる恐れのありそうな車輪が影を落としています。