成功の中での不満
『大地』の終わり近くでは、革命によって社会の体制が変えられてきています。
革命軍の側に身を投じていた登場人物はその動きに乗じて成功を収めている様子でしたが、さらに読み進めてみると思い通りにはいっていないようです。若くして高い地位に昇進し、さらに上昇しようとしていたところが、上官に妨げられていることを不満に思っている様子が描かれています。
その不満のために、何を見ても腹が立つようになってしまっているようで、金持ちを金持ちだからと不愉快に思い、貧乏人を貧乏だからと不愉快に思っている、とからかわれています。
不満に感じようとすればそう感じるものはたくさんあります。同じ状況でも人によって感じ取り方は異なり、状況におかしな振り回され方をしないためには、心の成熟が必要なのだと思います。