3年目の世界文学全集への挑戦

40代既婚の男がふと思い立って世界文学全集に挑んでいます

戸惑いを感じさせる恋愛

 『狭き門』の主人公とその愛する女性との間の関係は、互いに想い合っているのでしょうが、なかなか一筋縄ではいきません。

 兵役のためにしばらく会うことができずに手紙で連絡を取り合うことになったり、会うことができてもすれ違いのようなものがあったり、少なくとも主人公にとっては戸惑いがあると思います。

 愛されているはずであるにもかかわらず関係に進展がなさそうで、やりとりされる手紙の内容は難解で、相手の女性がどういう思いをもってそういう接し方をするのかがよくわからないのですが、その複雑さが興味をひくというか、よくわからないながらも話に引き込まれていきます。

 手紙で表現されていることの意味をもっとよく理解できれば、さらにおもしろく読めるのだと思います。