『谷間のゆり』の時代のフランス
『谷間のゆり』は主人公による一人称で語られています。はじめのあたりはその主人公の生い立ちが述べられていますが、かなり苦労を強いられていたようです。
食べるものにも事欠くような貧しい家庭ではないはずですが、親たちから大事にされず、経済的に厳しい生活をしています。だからといって、学校に行って学ぶ機会を得られずに若い頃から働かざるを得なかったわけでもありません。革命があって共和制になったり、君主制に戻ったり、という中で社会が安定せずに家族の関係も動揺していたのでしょうか。それとも、主人公の兄はそのような扱いを受けてはいなかったようですので、この主人公のような生活は一般的なものではなく極端なものとして描かれているのでしょうか。そのあたりはよくわかりません。
この機会に、フランスの歴史についてもっとよく知りたいと思います。