昨日も書いたように、『谷間のゆり』の主人公が思いを寄せる女性の夫は自己中心な人物として描かれています。
この人が病気になって倒れると、妻はその日頃の攻撃から解放されます。そうはいっても、看病の務めを果たすために今度は身体的に大きな負担がかかってしまいます。そのように苦労の多い生活をしているこの女性にとって主人公は大きな助けになっていたようです。しかし、だからといって、夫のいる身として恋愛感情を主人公に対して抱くことはなかったようです。
この夫の看病を主人公も手伝い、夫が元気を回復したあたりで、一つの部が終わり、話は主人公のパリでの日々に移っていきました。