イギリス人女性と主人公
『谷間のゆり』の主人公は、心を引かれた既婚の女性との間では越えてはならない線を越えることはありませんでしたが、話はその関係だけでは終わりませんでした。
パリで、イギリス人の、こちらも既婚の女性との関係が深くなってしまいますが、この女性の主人公への言い寄り方がかなりきついです。どんなことが起きても自分に有利になるように利用して話します。主人公が職業の面ではけっこう活躍していることと比べてみると、この女性との関係の中での無力さが引き立っているように思います。
当時のフランスで、イギリス人についてのこういう描き方は、うまい表現として楽しまれたのでしょうか。