やもめらしさを期待されること
『風と共に去りぬ』の主人公は、やもめとしてやもめらしく振る舞うことを期待されます。そこには個人の思いや感情に対する配慮や同情はないように思われます。アメリカというと個人主義という印象を持っていますので、意外である気がします。 南北戦争で戦う人たちを支援するためのイベントで、ほかの人たちは自分のために戦場で戦っている身近な人を思って心に感動を覚えている中で、主人公は同じ思いを持つことができず戦争を醒めた目で見ている、という場面があります。自らは大事にされることなく、まわりの人たちの思うやもめらしさを押しつけられていることで、ほかの人たちと同じように感じられないのはもっともなことであると思います。