終戦後の変化
『風と共に去りぬ』の主人公の家は町のはずれにあるため、終戦後、北の方の戦場から帰る途中の元兵士がよく訪れます。
ただでさえ乏しい食料を分けてもてなすことになり、そういう人の来訪は、特に家の財産の切り盛りをしている主人公にとってはありがたくないことのようです。
そのような中で、同じ白人でありながらも戦争の前であれば身分の違いによってつき合わなかったような元兵士が精神的な面でも生活の実践的な面でも主人公たちを助けてくれるようになりました。この人の素朴な話しぶりには心地良いものがあります。今でいうと癒し系といったところでしょうか。
戦争を経ての変化の一つは、身分の差による区別が減り、接する人たちが同質的であるがゆえの弱さが克服されてきたことであるようです。