3年目の世界文学全集への挑戦

40代既婚の男がふと思い立って世界文学全集に挑んでいます

社会の変化に乗る人たち

 『風と共に去りぬ』の今日読んだ箇所は、かなり動きの大きいところでした。
 事件の一つとして、かつて白人であっても低い身分として見下していた人が経済的に豊かになって主人公の前に姿を現したことがあります。この人物は南北戦争の終結後の新しい社会の中で、北部の人たちと共謀したり、黒人たちが奴隷の状態から解放されることを利用したりして富を築いたように描かれています。
 前に見た『北の零年』という映画を思い出しました。明治維新の頃に、こちらも時代の変化の中でうまく動いて富を築く人物が出てきていました。
 この人たちに共通して描かれているのは、かつて豊かだったり身分が高かったりした人たちと立場が逆転する中で自分たちの優越性をおもしろがっている様子です。主人公の側から見れば憎たらしい存在ですが、それまでぞんざいに扱われてきた人たちとしてはおかしなことではないようにも思えます。