3年目の世界文学全集への挑戦

40代既婚の男がふと思い立って世界文学全集に挑んでいます

立場の逆転

 『風と共に去りぬ』の最近読んでいるあたりの背景には、南北戦争で南部が北部に敗れて、南部を北部の人たちが支配していることがあります。
 もともと豊かだった人たちは家財を奪われたりして貧しくなり、奴隷として生活していた黒人たちは解放され、貧しい白人たちは北部の人たちの側につくことで豊かになり、といった変化があったようです。
 この作品は南部の豊かな家に生まれた女性が主人公であることから、この人物の立場から見た描かれ方をしています。フィクションであるとはいえ、あまり史実と違うことも書きづらいのではないかと思いますが、黒人でも白人でも野卑な者たちが力を得て好き放題に振る舞って社会の秩序が乱れている、といったところでしょうか。反対の側から見れば、経済的強者に虐げられていたところから引っくり返したという捉え方になるのではないかと思います。
 また、敵対したとはいえ、同じようにヨーロッパから渡ってきた者同士の間で北部の人たちが南部の人たちを占領軍のように支配して搾り取っているように描かれているのは意外な気がします。