『
ジェーン・エア』の主人公が家庭教師として雇われている家の主人がお客さんたちを招待してもてなす場面が続いています。
主人公はお客さんたちとは身分が違うことから、お客さんたちから対等に扱われることはなく、同じ空間にいても話をすることは基本的にありません。そういう立場で同じ部屋にいることで、相手にされることなく人を観察することができるようになっています。
夏目漱石の『
吾輩は猫である』の猫としての見方による記述に似ていると思いました。
そうはいっても、猫ではなく人間であることから、場面はそのお客さんたちとは別の人と話すところに移っていきます。そのように視点が変わるところにおもしろみがあると感じます。