『
魔の山』を読んできた中で目立つ人たちの一人にイタリア人の男性がいます。よくしゃべる人なので登場している時間が長くなっています。
この人物が自分の祖父について話す場面を読みました。権力がない側にいた人で、自由を求めて闘ったようです。話をしている人物は祖父を尊敬して誇りに思っているようですが、主人公は話を聞いて同じようには感じない様子です。
主人公は自分も前の代の人たちも抑圧されてはいなかったようで、自由を求める闘いをする必要性を認める人は身近にいなかったと思われます。それに加えて、ドイツ人とイタリア人の考え方の違いが描かれているのかもしれません。