3年目の世界文学全集への挑戦

40代既婚の男がふと思い立って世界文学全集に挑んでいます

サナトリウムを去ろうとする人

 『魔の山』の今日読んだ箇所では、主人公の身近な人物がサナトリウムを去る決断を実行に移します。
 若くして病気になり、当初考えていたよりも療養が長くなる中で、社会での自分の位置について焦る気持ちがあるのだと思います。仮に時間をかけて完治してから普通の生活に戻ったとしても、自ら納得がいくような生活をできないと考えているのでしょう。
 かつての多くの若者が抱えた葛藤だったのではないかと想像します。医学や公衆衛生の進歩は、多くの人に恩恵を与えているという事実を考えさせられます。