『
魔の山』の舞台になっている
サナトリウムでは、病気が十分に治癒していなくても自分の意思で退院していく人がいます。
主人公の身近な人で、そのようにして去っていたある人物が、元と同じ体の問題で戻ってきました。退院せずに治療を続けていた場合よりも具合は良くなさそうです。
主人公は、療養をする中で、普通の生活をしていれば知ったり考えたりすることができなかったようなことを知ったり考えたりしている様子です。この戻ってきた人物にとってもそういうことはあるのでしょうが、それに価値を置けてはいなさそうです。良い、悪い、という問題ではなく、病気の療養をどうとらえるかは人によって異なると思います。