主人公の症状
『白痴』の主人公は、遠い親戚(かもしれない)人と初めて会い、その家で頼まれて自分の身の上話をします。
白痴というのは主人公が自分自身について言っていることですが、癲癇の発作が起きることが問題であるようです。その問題と白痴という言葉とが結びつかないように思いますが、この作品が書かれた時代には同じものと考えられていたのでしょうか。
話をすると、筋の通った話をしています。世渡りという面での知恵は豊かではないかもしれませんが、経験したり学習したりしたことをしっかりと身につけているように思います。発作が起きていないときの様子だけを見ると問題があるようには見えませんが、火種を抱えていることが示されていますので、今後の展開で影響が出てくるのでしょう。