3年目の世界文学全集への挑戦

40代既婚の男がふと思い立って世界文学全集に挑んでいます

人生の価値

 人生の価値は何によって決まるのでしょうか。
 『白痴』のある登場人物は病気のためにあと数週間の命しかないと言われています。残り短い命で、人のために良いことをしようと思っても時間がかかることはできないと考え、自分の人生に価値がないと考えている様子です。人が集まっているところで、頼まれもしないのに、思いを綴った文章を読み上げて、それがそのまま記されています。特に、この人物自身の思いが長く書かれているところは読んでいて不愉快になりました。
 主人公も、かつて具合が良くなかった頃に自分の人生を無価値であると考えていたようです。
 最近、勝手に人の人生について価値がないと考えて多くの人の命を奪った事件がありました。労働など、限られた尺度で人生の価値を測ることはこの事件以外にも見られますが、完全に間違っていると考えます。