人の思いを忖度すること
『城』の主人公は、役人たちの集まっている場所で、呼び出されたために一人の役人と、呼び出されたわけでなくもう一人の役人と話をします。その後、そこにいる役人たちに書類が配られる様子を見ます。
書類が配られる様子を見ていたことが、当事者である役人たちではなく、その人たちに居場所を提供している人たちの気に入らず、主人公は責められます。当事者たちは実際に主人公がいたことをいやだと思っていたかもしれませんが、そのように言う人は現れていません。
本人たちは何も言っていないのですが、居場所を提供する人たちは、その人たちの思いを忖度して主人公を責めているようです。本人ではなく、その下の立場の人が過剰に反応するということは、現実の世界でもよくありそうです。