人と結びつく記憶
『ジャン・クリストフ』の主人公は、ある親子と知り合って関係が発展していきます。そして、特にその親子のうち母親から、それまで多くの経験を積んできた音楽の方面以外の知識を与えてもらいます。
その中で新たに触れた文学作品については、その親子と記憶の中で結びついている様子が描かれています。人との関係とともに接した音楽や文学は、後にその人のことを思い出させてくれると思いますが、そういうことが起きているようです。
主人公は、その後この時代に学んだ文学作品に触れたときにその親子のことを思い出すことになるようですので、この人たちとの関係はその頃までは続かないということが示されていると思われます。
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