形も根底もない不定な性質
『ジャン・クリストフ』の主人公であるクリストフは小都市で生活し、その都市の住民との間がうまくいっておらず苦しんでいますが、今日読んだ箇所にその関係の難しさについての記述がありました。このブログの主には全く異なる大きさで性質としては似ているように感じるものがあることから、その記述はすんなり心に入ってきました。
クリストフが圧迫的に感じたのは人の敵意ではなく、形も根底もない不定な性質であったと書かれています。岩石を砕くことはできるが、少しの圧力にもくぼんで痕跡を残さない塊に対してはどうすることもできない、というような説明をされていますが、考えていることを伝えても肯定も否定もせずに影響を受けないままの人については同じようにどうすることもできないと思います。
クリストフはそのような人に取り囲まれた状況から抜け出そうとしているようです。