3年目の世界文学全集への挑戦

40代既婚の男がふと思い立って世界文学全集に挑んでいます

一個の人間の創造

 『ジャン・クリストフ』を読み進め、主人公のクリストフを中心に展開する新しい巻(読んでいる文庫本ではその前の部分と別れておらず1巻というように見えませんが、当初は1巻になっていたということであると想像します。)に入りました。
 その巻の冒頭に筆者による序文が挿入されています。その中で、自分は詩や小説ではなく一個の人間を創造した、というようなことが書かれていたことが目を引きました。小説という形式を取っているが、表現の手段として小説にしているにすぎず、クリストフという人物を作り出した、という筆者の思いが伝わってきます。