3年目の世界文学全集への挑戦

40代既婚の男がふと思い立って世界文学全集に挑んでいます

見えない友人たち

 『ジャン・クリストフ』の主人公であるクリストフには、直接会うことのない見えない友人たちができてきています。会うことがないといっても、友人たちの側はただクリストフに憧れるだけではなく、手紙のやり取りをしています。
 現代であれば通信手段も交通機関も発達していて、人と人との接触はかなりしやすくなっていますが、この作品の当時は一般の人の移動できる範囲は限られていたでしょうし、通信手段は手紙が中心だったことでしょう。手軽には連絡を取れないから慕う思いが強くなるということがあったかもしれません。
 こうした、クリストフが会ったことのない仲間たちがこの先で何か役割を果たすことを期待します。