3年目の世界文学全集への挑戦

40代既婚の男がふと思い立って世界文学全集に挑んでいます

鯨が見てきたもの

 『白鯨』の今日読んだ箇所に、ある登場人物が鯨の死骸に話しかける場面がありました。
 海の底深くまで潜るので、人間には見ることのできない世界を鯨が見てきただろう、というようなことを言っています。たとえば、海難事故で命を失った人を海の底で見ただろう、といったことです。実際には人間の死体は浮かんでくると思いますが、鯨に対してそう言いたい気持ちはわかる気がします。
 鯨の生き方に結びつけて、人間の限界やはかなさが示されているように感じました。