学校での友人
『車輪の下で』の主人公の学校生活は大部屋での共同生活です。同じ部屋の仲間たちのうち数人が取り上げられてその特徴が描かれています。
その中である特定の人と関係が近くなったり、きっかけがあって疎遠になったりしています。自分と似ているとか逆に自分にないものを持っているとかといったことが理由で仲良くなることがあったり、また、繊細で傷つきやすいからか距離を置いても日々の学校生活で困るわけではないからか遠ざかったり、ということがもっと年を重ねてからよりも学校にいる間にはよく起こるのではないかと思います。自分の経験したことを懐かしく思い出します。
まだ心の柔軟性が高いので、学問だったり趣味だったりという面で友人の影響を受けやすい時期です。主人公は自分で詩を書くような人と仲良くなりました。当時のドイツにそういう人がどれ位いたのかはわかりませんが、このブログの主の身近にはいませんでした。している人はいたけれどもそれを教えてはもらえなかったということかもしれません。そういう人と親しくなっていたらもっと感受性や表現力が豊かになっていたでしょうか。
こうして書いている中で思い出したのですが、社会人になってから、ある企画のゆえに詩を書いたことがありました。詩に限らず、することの幅を広げるチャンスは学生や生徒だけにあるのではないという当たり前の事実に思い当たることができて良かったです。