3年目の世界文学全集への挑戦

40代既婚の男がふと思い立って世界文学全集に挑んでいます

2018-02-01から1ヶ月間の記事一覧

淋しさ

『南方郵便機』を読み進める中で、無意識主人公の淋しさが伝わってきました。パリという大都市で人がたくさんいても、心がつながる相手がいない、という状態であると思います。 パイロットとしての仕事で孤独には慣れていると考えますが、それとは性質の異な…

信念

『南方郵便機』で、主人公がもう一人の人物と一緒に生活の状況を変えようと試みる場面を読みました。 しかし、文中に記述がありますが、信念がない状態での試みだったようです。成し遂げる決意がなければ物事がうまくいかないのは当たり前であるように思いま…

歯の詰め物の詰め直し

今回は本とは別の話題にします。 先日、歯の詰め物が取れてしまいました。その2週間前に詰めてもらったばかりのところでした。すぐに同じ歯科の予約をして再度詰めてもらいました。 それほど意外には思わなかったのですが、診察料はしっかり取られました。…

無意識のうちに現れる育ち

『南方郵便機』に登場するある人物は、裕福な家に生まれて育ったという設定になっています。 その人物が訳あって、同じように裕福ではない人と一緒に生活しようとする中で、無意識のうちにその違いを現してしまうようなことを言う場面がありました。 そのこ…

主人公と親しい女性

『南方郵便機』の記述はしばらく、語り手である「僕」からも主人公からも離れます。 主人公と親しいある女性が中心になって話が展開し、そこに主人公も関わっていきます。身体への暴力は振るわないまでも、精神的には大きな打撃を与える夫が出てきますが、時…

「僕」と主人公

『南方郵便機』は「僕」という人物が語り手になっていますが、それ以上に話の中心になっていて主人公らしい人物が別にいます。 中心になっている人物から「僕」への手紙が紹介されながら、「僕」も経験した過去のことらしい記述があり、ついていきづらい気が…

年老いた教師

『南方郵便機』で、パイロットになった人物が年老いた恩師たちを訪ねる記述を読みました。 年齢が数十歳違うと想像しますが、その違いで飛行機との関わり方も異なりそうです。現代のICTによる変化も大きい変化ですが、飛行機で空を飛べるようになったという…

空からの眺め

『南方郵便機』には空からの操縦士の視点による眺めが描かれています。 この作品が書かれた当時は現代ほど飛行機に乗ることが一般的でなかったでしょうから、空からの眺めは多くの人にとって見る機会がなかっただろうと思います。この眺めの描写はとても興味…

サン=テグジュペリ『南方郵便機』

サン=テグジュペリの『南方郵便機』を読み始めました。 新潮文庫の『夜間飛行』に一緒に収録されており、文学全集に収められることもあるようであることから、続けて読むことにしました。 これはサン=テグジュペリの最初の作品です。飛行機に乗ることが現…

『夜間飛行』を読み終えました

『夜間飛行』を読み終えました。 ほかの作品と一緒に収録されている本で読んでいて、どこまでがこの作品かを調べておらず、長さを知らずに読んでいたのですが、今日読む中で終わるとは思っていませんでした。長さだけでなく話の展開としても、このあたりで終…

事務的な話

『夜間飛行』のいま読んでいるあたりでは、ある飛行機が困難の中にあるときの地上での動きについての記述が続いています。 苦悩して一人でいたい思いや、苦悩する人に同情して励ましたい思いが交錯します。しかしながら、感情の話はされずに、事務的な話のみ…

諦めの空気

『夜間飛行』に登場するある飛行機が暴風雨のために困難に直面する様子が描かれるのに並行して、地上の人たちのことも描かれています。 ある人たちは、その飛行機が予定どおりに到着しないことで、意気消沈しているためもあるかもしれませんが、諦めのためか…

共同体の後に残すもの

『夜間飛行』を読む中で、一つポイントになるように思う記述がありました。 人間は、個人としてではなく共同体として後世に何かを残そうとすることがあり、そのためには仲間に犠牲になってもらうことがある、というようなことが示されているととらえました。…

包囲

『夜間飛行』に描かれているあるフライトが緊迫感を増してきました。 夜間に暴風雨に囲まれ、燃料に余裕があるわけでもない、という状態です。地上との通信は取れているにしても、いつまで可能かはわかりません。 月も星も見えず、人工的な照明もそれほどの…

懲罰

『夜間飛行』の記述がまた地上の様子に移りました。 ある高い地位にいる人物が葛藤しながらも部下に懲罰を与えながら管理をしているところが描かれています。不可抗力による問題であってもだれかを罰することで、緊張感をもって働くようにさせている、という…

難航

『夜間飛行』を読み進めたところ、ある飛行機が難しい飛行を強いられそうになる様子が描かれ始めました。 まずは、操縦士を見ている無電技師を中心とした記述がされています。不安に思う無電技師の目から見た操縦士の姿を描くことで、直接操縦士について述べ…

部下との接し方

『夜間飛行』で、ある上位の立場の人物がさらに上位の人物と話す場面を読みました。 より上位の人物が、部下との接し方について自分の考えを述べています。このブログの主の考えとは異なります。場合によっては命がけになるような指示をしなければならない可…

特別にたいへんな日

『夜間飛行』の冒頭で描かれている日は、登場人物たちにとって難しいことが起きている日のようです。 複数のそれまでになかったようなことが起きているように受け止めましたが、そのような認識で正しいでしょうか。その割には、登場人物たちが心を乱されてい…

地上の人たち

『夜間飛行』はパイロットの話かと思っていた気がしますが、それ以外の役割を担う人たちの様子も多く描かれています。 確かに、航空の世界はパイロットだけでなく、それよりも多い常に地上で働いている人たちも一緒にチームになって成り立っているのですから…

サン=テグジュペリ『夜間飛行』

サン=テグジュペリの『夜間飛行』を読み始めました。新潮文庫に収録されている堀口大學氏の訳によるものを読んでいます。 今は航空便には深夜便がたくさんありますが、かつては夜に飛ぶことは少なかったようです。そういう時代にあえて夜間飛行をする人物が…

『ファウスト』を読み終えました

今日、『ファウスト』を読み終えました。 最後はそれまで続いていた様子から大きく状況が変わって終わったように受け止めました。どうしてそういう結末になったのか理解できずにいます。 悪魔と戯れることの恐ろしさについて考えましたが、それだけで終わる…

悪事の程度のコントロール

『ファウスト』の今日読んだ箇所では、ある登場人物が人に悪事を働くことを命じます。 ある程度のところで制限をかけるように指示をしたつもりが、指示をされた側はそれよりも悪いことを行います。悪事の程度をコントロールできると思ってしまうかもしれませ…

国家と宗教

『ファウスト』に信心深くはなさそうな君主が登場しますが、それでもキリスト教の教会から影響を受ける様子が風刺らしく描かれています。 戦争で勝利を収めて権力の基盤を強化したときに聖職者が近づいてきて、脅迫めいた寄進の勧めを受けます。 モデルにな…

掠奪

『ファウスト』の戦争に関する記述の中で、ある陣営の本部のようなところでの掠奪の場面を読みました。 金貨を前掛けに包んで持っていこうとしたら、前掛けに穴が開いていてそこから落ちてしまう、というような滑稽であるように受け取れるところがありました…

悪魔のまやかし

『ファウスト』を読んでいて、悪魔のすることで悪魔らしいと思うものが出てきました。 小さいものを大きな危険があるものであると見せかけて、人々を惑わしていました。ないものをあるようにするのではなく、危険がないものについての見方を変えさせて恐れさ…

戦闘のシーン

『ファウスト』の新しい幕へ進むと、主人公が戦争に参加する場面になりました。 しばらく続いていたギリシャ神話が背景になっていた記述から、戦闘のシーンへと移りました。主人公が元々戦争についての知恵や経験を持っていたような印象はありませんが、それ…

イカロス

『ファウスト』を読み進める中で、イカロスというこのブログの主でも知っている名前が出てきました。 そうはいっても、イカロスという人物が出てきたわけではなく、蝋で固めた鳥の羽を使って飛んだ人がいたわけでもありません。別の名前のある人物のことをイ…

アルカディア

『ファウスト』の中で、主人公とその他の登場人物たちがアルカディアという場所に現れる場面がありました。 実在の地名としてのアルカディアか、理想郷としてのアルカディアか、というのはよくわかりません。