3年目の世界文学全集への挑戦

40代既婚の男がふと思い立って世界文学全集に挑んでいます

2017-07-01から1ヶ月間の記事一覧

八木智哉投手の復活

今回は本とは違う話題にします。 10点差を追いつかれての逆転負けなど、暗い出来事の多かった中日ドラゴンズに、良いことがありました。 八木智哉投手が久しぶりに勝ち星を挙げました。しかも、カープ以外からということも話題になっています。7連敗をしてい…

『イリアス』の上巻を読み終えました

上下2巻に分かれた『イリアス』の上巻を読み終えました。 ここまでのところ、登場人物になじみのない名前が多いことから難しい面もありますが、数人の中心的な人物は識別できるようになってきました。 一進一退の攻防が繰り広げられていて、おもしろく読めて…

武勇伝

『イリアス』の最近読んだあたりには、ある高齢の戦士が自らの武勇伝を長めに話す場面があります。 自分のことを自分で話しているような表現をあえてする必要があるのだろうかと思いましたが、読み進めてみると、ただの自慢話ではなく、人を説得するための手…

休憩

『イリアス』の今日読んだ箇所には、ある登場人物たちが戦闘の場を離れて休憩する場面がありました。 葡萄酒におろした山羊のチーズや大麦の粉をふりかけたものを、玉葱や蜂蜜をつまみながら飲むようです。当時の食事の様子を垣間見させてくれて興味深いです…

大活躍と負傷

『イリアス』を読み進める中で、ある登場人物たちが戦場で大活躍をし、何人もの敵を倒す場面がありました。 その反面、ただ勝ち続けるだけではなく、最前線を離れる判断をするようになるほどの傷を負いもします。そのあたりが公平というか、一方的な強さを見…

身代金の申し出

『イリアス』の最近読んだあたりで、戦いの中で命を落とさないまでも勝ち目がなくなったときに、裕福な家の人が身代金を家から払うと言って命乞いをすることが複数回見られました。今のところいずれも受け入れられずに結局は命を奪われてしまいます。 当時、…

斥候の力の差

『イリアス』の今日読んだ箇所に、両軍が送った斥候が出会う場面がありました。そして、片方が捕らえられて自軍の状況を話させられます。 話の展開のためなのだろうと思いますが、この場面は両者の力の違いが大きすぎる気がします。片方があまりに斥候の役割…

一人よりも二人

『イリアス』の今日読んだ箇所では、敵軍の様子を夜中に探る偵察にだれを送るかが決められました。 登場人物の一人が名乗りをあげるとともに、もう一人と一緒に、二人で行きたいと言って認められます。良い組合せであることが必要ですが、一人ではなく二人で…

夜中の陣営

『イリアス』を読み進めてみると、前回の記事で触れた人物以外にも眠っていない人たちがいるようです。そして、その人たち同士で接触しながら、その時にできることをしています。 実際のところ、遠征してきながら戦況が不利になっている中で安心して眠れる人…

眠れぬ夜

前の記事で『イリアス』には強い人ばかり登場するというようなことを書きましたが、少し読み進めるとすぐにそれが覆されるような記述が出てきました。 登場人物の中でも中心的な人物が、ほかの人たちが眠っている中で眠れぬ夜を過ごします。不安のためにその…

強い人たち

『イリアス』で詳しく描かれる登場人物は、身体能力が高くて戦いに強かったり、家柄が良かったり、という人が多いように思います。そういう人たちのそばには、いわゆる普通の人たちが兵士としてたくさんいるのだろうと思いますが、そういう人たちに焦点が当…

年長者の影響

『イリアス』の今日読んだ箇所では、年長のある登場人物の発言が重大な影響を人に及ぼします。 それまでも、過去の実績に裏打ちされたことを言っている場面があるなど、存在感のある人物ですが、今回は特に大きな働きをしているように見えます。 年長者がそ…

一進一退

『イリアス』で描かれている戦争では、一進一退の攻防が繰り広げられています。 そして、その一進一退には、神々の働きが影響していることが記されています。人間のすることが結果を決めているようには見えません。軍隊については、個人個人の能力、装備、食…

引き分け

『イリアス』で再び行われた代表同士の一騎打ちは引き分けに終わりました。 結果は引き分けですが、そこまでの過程で一方が優勢になっていました。そこで引き分けにしては不公平だと思いました。続けると逆転しそうな力関係だということなのかもしれませんが…

再度の一騎打ち

『イリアス』で描かれている戦争は一進一退の攻防が繰り広げられ、再び代表同士の一騎打ちが行われそうです。 今回は呼びかけられた側ですぐには代表が決まりません。その中での数人の言動がおもしろいと思いました。

子への期待

『イリアス』のある登場人物は、戦争の最中に妻と幼い息子と会います。 この人物は国の中で優れた戦士として評価されていると思いますが、願い事の中で、息子が自分を超える者になることを願っています。 こういう思いは時間や空間を越えて多くの人に共通の…

シドン

『イリアス』の今日読んだ箇所に、シドンという聖書で見たことがある地名が出てきました。 シドンは現在のレバノンに位置していたフェニキア人の都市であるようです。この作品の舞台になっているトロイアは現在のトルコの西の方で、シドンとはかなり距離があ…

前の代の交遊

『イリアス』を読む中で、戦争をしている両軍の先頭に立って戦う登場人物たちが、自分が何者であるかを話し、前の代の人たち同士が知り合いであることが明らかになる場面がありました。 敵と味方に分かれてはいますが、その2人の間では戦うことをしないこと…

泣き言を言う神

前回の記事で扱った血を流す女神に続いて、『イリアス』に、泣き言を言う神の様子が描かれています。 正確には、助けを求めに行った神から泣き言をならべるのはやめぬか、と叱られています。この作品に登場する神々は、死ぬことがなく、医師から手当てを受け…

血を流す女神

『イリアス』の今日読んだ箇所では、女神が人間の攻撃によって傷を受けて血を流す場面がありました。 神々が出てきて人間同士の戦争に介入したりしなかったりというのが不思議でしたが、ついに人間の手にかかって傷を受けさえしました。血を流すといっても、…

大活躍

『イリアス』ではさまざまな人に話の焦点が移ります。 しばらく、ある登場人物の戦場での大活躍の様子が描かれます。この人物に倒される人たちは、その場面に登場するだけだと思いますが、その背景が一人ひとりについて記されています。 そういう効果が狙わ…

偉大な父親

『イリアス』の登場人物のうち、ある人たちは高名な父親を持っているようで、元々、誰々の子という言い方をするようですが、この人たちは父親がどれほど偉大であったかということを聞かされます。 それに対しては、父親との関係がどういうものか、その人自身…

激励

『イリアス』の今日読んだ箇所では、戦争に臨む軍隊の中で、上位の人物が陣営を回って兵たちと兵たちを率いる人たちを激励しています。 特に、兵たちを率いる人たちとの話が記されていますが、相手に合わせて話す内容が異なり、それぞれの特徴が示されます。…

登場人物への呼びかけ

『イリアス』には、以前の記事で取り上げた、語りながら自分の思いを述べるような記述とは異なり、語り手が登場人物に呼びかけている記述もあります。 注によると、その対象は特定の登場人物に限られるようです。そして、その理由は不明だそうです。 口承文…

救出

『イリアス』で決闘の場面を読みました。 もともと強そうに描かれていた人物が勝ちますが、とどめを刺す前に相手は女神によって救い出されます。 こういう介入があると戦争が成り立たないと思いますが、神話の世界はそういうものなのでしょうか。

一騎打ち

『イリアス』の今日読んだ箇所では、対立する二つの軍からそれぞれ代表が前に出てきて一騎打ちが行われそうになっています。 これは、現代の戦争ではないような、昔らしい戦争の一場面であると思います。こういう戦い方が行なわれている時代と場所は、そこか…

アルカディア

『イリアス』に地名としてアルカディアという名が出てきました。 アルカディア市ヶ谷という建物があり、桃源郷を意味すると聞いたことがあった気がしますが、ギリシャの地名だとは知りませんでした。しかも、今でもある地名であるようです。

語り手の思い

『イリアス』の今日読んだ箇所に、この作品の語り手の思いが記されているところがありました。 読み進めながら、語り手は舞台の後ろにいて姿を現さないことを想定していたと思いますが、そうではありませんでした。相当に時代を遡る作品にそういう表現がある…

上田利治さん

今回は本とは別の話題にします。 阪急ブレーブスなどで監督を務められた上田利治さんが亡くなったという報道がありました。 このブログの主は四十代の半ばで、物心ついてプロ野球のことがわかってきた頃に最強だったのが当時の阪急ブレーブスでした。テレビ…

古代ギリシャ語

いま読んでいる岩波文庫の『イリアス』は、詳しい注がつけられていて、中には本文で使われている訳とそれ以外の説とが紹介されている言葉があります。 原文で使われているのは古代ギリシャ語だと思いますが、現代とはかなりの時間の隔たりがある言葉であるこ…