3年目の世界文学全集への挑戦

40代既婚の男がふと思い立って世界文学全集に挑んでいます

2017-08-01から1ヶ月間の記事一覧

和解のしるし

『イリアス』で描かれている競技の場面はさらに続いて、本物の槍を使っての対決や投擲種目も行われます。 この作品の初めから対立していた二人のうち一方がこの競技を主催して賞品を出していましたが、競技の最後に、対立していた相手に対してちょっとした計…

戦車による競走に続く競技

『イリアス』を読み進めたところ、戦車による競走に続いて格闘や競走が行われました。競技のたびに豪華な賞品が提供されています。 戦争を描いた作品の中では平和な場面です。その中で登場人物の性格が見えるような描写もあります。前の方にこういう記述があ…

競走の決着

『イリアス』で描かれている戦車による競走に決着が着きました。 競走に参加しないで見ている人同士が衝突したり、順位についても議論があったりして、仲間の親睦というようにはなっていません。 陣営の中がまとまっておらず自信のある者同士が張り合ってい…

戦車による競走

『イリアス』のある勇士の従士の火葬に続いて、戦車による競走の場面があります。 従士を葬った勇士が賞品を出して競技を行っているのですが、そういうことが実際に行われていたのでしょうか。 競走の様子が詳しく描かれています。戦闘の場面のように人が命…

死者の幻

ある勇士とその従士との友情が『イリアス』の主要な内容の一つであると思います。 勇士が、戦場で命を失った従士の幻を見る場面があり、従士がかなり長く話しています。勇士の想像によることではなく、本当に現れているという設定だと思います。火葬をされる…

死者の家族の嘆き

『イリアス』を読み進めたところ、前回の記事で取り上げた、討ち取られた勇士の家族が嘆く様子についての記述がしばらく続きます。 父親、母親、妻のそれぞれの様子が描かれています。この夫婦間には幼い子どもがいて、父親がいないことで子どもがどれほど苦…

予告されていた死

『イリアス』の主要な登場人物の一人が討ち取られるところを読みました。 少し前から死が予告されていましたし、今読んでいる訳に区切りごとに前もって記されている梗概でもそれが示されていましたので、わかっていることでした。 強い戦士として描かれてい…

父親の弱気な言葉

『イリアス』の登場人物の中でかなり強い戦士として描かれている人物に対してその父親が話をする場面を読みました。 戦況が不利な方に傾いていることで弱気になっているとはいえ、息子にとっては力づけられるような言葉ではありません。息子はどのような影響…

神々の間の戦い

『イリアス』を読み進めたところ、前回の記事で取り上げた河の神が火の神と戦ったり、ほかの神々も戦ったり、というように話が展開しています。 その様子は神というよりもいかにも人間のようです。人間的な神々の場外乱闘が人間の世界に影響を与える、という…

河の神

『イリアス』に河の神が登場しました。ある人物が戦闘の中で多くの人を討ち取って、その死体が沈んでくるのが気に入らないようです。 その河が流れている地元の側の軍勢に味方をするかというと、必ずしもそうではないように思われます。そのように地元に味方…

自らに関する認識

『イリアス』でこれまで戦場において大活躍をしていた人物が、ある敵と相対して話す中で、自らの力が相手よりもはるかに劣るということを言う場面を読み、意外な感じを受けました。 その後で、勝敗は神々が決めることだというようなことも言っていますので、…

ブラフの応酬

『イリアス』で描かれている戦争の両軍の中でもかなり強そうな人物同士が一騎打ちをする場面を読みました。 実際に戦う前に、ブラフの応酬をする記述があり、それぞれ弁も立つという設定であるようです。そして、発される言葉の中で、2人の間にはその前にも…

人間の言葉を話す馬

『イリアス』に馬が人間の言葉で話す場面が出てきました。 何もないときに話し始めたのではなく、人間から話しかけられてから話し始めたのですが、いずれにしても不思議な場面です。その内容がある登場人物のその後についての話であったことで、さらに重みが…

財宝の引き渡し

『イリアス』に、ある人物からある人物へと多くの財産が引き渡される場面がありました。 意外なのは、それが遠征中の軍において行われていることです。わざわざそういう財宝を船に載せて運んできているようです。 功績があった人にすぐに報いることができる…

和解

『イリアス』を読み進めてクライマックスが近づいてきたのか、重要な登場人物同士が和解しました。 仲間内でいさかいがあると弱く、一致があれば強い、というのは当然でしょうが、この作品のような古典的な作品でも描かれ、そしてその後の創作物でも何度も描…

盾に描かれた人々の生活

『イリアス』の今日読んだ箇所では、ある登場人物のために武具が新たに作られます。 その中で盾には、農作物の刈り入れの様子など、普通の人々の生活の場面が描かれ、それが詳しく記されています。 当時の人々の生活を垣間見せてくれて興味深い記述です。

存在感

『イリアス』の登場人物の中で相当に強いように描かれているある人物は仲間内の問題で戦闘に参加していませんでした。 しかし、あることをきっかけとして、参戦しようとしています。まずは陣営に現れて、味方だけではなく敵にも姿を見せました。すると、敵側…

悪い知らせを伝える者

『イリアス』の中心的な人物に従う人物が戦いの中で命を落としましたが、そのことをまだ主人は知らずにいます。 その悪い知らせを伝えるために、ある人物が指名されて遣わされます。悪い知らせを伝えるには相手との信頼関係も話し方も重要で、だれにでもでき…

神の子たち

『イリアス』を読んでいると、ところどころに神の子とされている人物が出てきます。 神と人間との混血ということだと思います。実際にそういう存在がいるとは考えられませんが、同時代の読者はどのようにとらえていたのでしょうか。

遺体を巡る攻防

『イリアス』には、戦っている両軍の主要な人物が討ち死にして、その遺体をどちらが確保するかを巡って争いが起きる場面が何度もあります。今読んでいるあたりでは特にそのことがよく触れられているように思います。 味方からすれば、自分たちの主要な人の遺…

戦況の変化

ある一団の人たちが参戦してから、『イリアス』で描かれている戦争の状況が変わってきているように思います。 そして、その中で戦士たちの中でも中心的な人が討ち取られることが増えてきているようにも感じます。全体の3分の2ぐらいまで読み進めていますが…

陣営内部の動き

『イリアス』では、2つの陣営の争いと、そのうち一方の内部での争いとが、話の構図として重要だと思います。 一方の内部での争いに新しい動きが出てきました。2つの陣営の争いにも影響がありそうです。 その中で大事な役割を果たしている人物について、そ…

将来の予測

『イリアス』の今日読んだ箇所には、戦場で大活躍をしていて出番が多いある人物について、その先でどのようなことが起こるかを読者にあらかじめ知らせるような記述がありました。 こういった記述はほかの作品にも見られますが、非常に古いこの作品にもそのよ…

岩瀬仁紀投手の最多登板記録更新

今回は本とは別の話題にします。 今日、中日ドラゴンズの岩瀬仁紀投手がプロ野球の最多登板記録をそれまでの949から950に更新しました。 前の記録保持者とは時代が全く異なりますので、単純な比較はできないと思います。それでも、現役の人たちで同じ…

兄弟同士の神の対立

ゼウス、ポセイドン、といった名前を知ってはいましたが、その関係については知りませんでした。 『イリアス』によると兄弟同士の神であるようです。そして、その兄弟の間の対立が描かれています。 世界は不安定だと思いますが、その不安定さを神と神との間…

神のはかりごとに引っかかる神

『イリアス』の今日読んだ箇所では、前回の記事で紹介したはかりごとが仕掛ける側の思惑どおりに進みます。引っかかった側の神は眠ってしまい、その間にほかの神の働きによって人間の世界の様子が変わります。 なんとも威厳のない神だと思います。人間の営み…

神に対してはかりごとを巡らす神

『イリアス』を読み進めている中で、記述がしばらく人間の戦いを離れて神々の様子が描かれています。 そこでは、ある神が、ほかのもっと力のある神にはかりごとを巡らしています。ギリシャで考えられていた神としては普通の行動なのでしょうか。

波状攻撃

『イリアス』の今日読んだ箇所に、軍隊が攻撃をする様子を海の波にたとえて表現していた記述がありました。次から次へと押し寄せている、といったところでしょうか。 波状攻撃という言葉がありますので、これも時代と地域を越えて共通した表現だと思いました…

チームワーク

『イリアス』の今日読んでいた戦闘シーンでは、これまでと比べて戦士たちが単独で戦うよりも味方同士が寄り集まって戦う場面が多いように思いました。 個人の力量によって勝つことももちろん良いのですが、チームワークによって勝つことにはまた別の価値があ…

神々の子孫

最近読んでいるあたりに限りませんが、『イリアス』には、少し前の代にさかのぼると神に行き着く人たちが登場します。 普通の人間としては、そういう存在と戦場で相対するのはとても不都合なことだと思います。そういう存在が人々に交じっているということに…