3年目の世界文学全集への挑戦

40代既婚の男がふと思い立って世界文学全集に挑んでいます

2016-05-01から1ヶ月間の記事一覧

新たな関係

『ジェーン・エア』の主人公は過去の生活に別れを告げた結果、親類も友人もいない状態になります。 そこから新たに関わりを持つようになったのが、放浪して飢えに苦しんでいたところを助けてくれた、兄と妹2人のきょうだいでした。この人たちは、教養があり…

助けの手

『ジェーン・エア』の主人公は、飢えながら放浪した後、ある家で受け入れられて、食べ物や寝る場所を提供してもらいます。 当初はその家の女中に助けることを拒まれますが、女中の主人たちは暖かく迎えてくれます。立場が下の人が上にいる人のことを守るつも…

オバマ大統領の広島訪問

今日は本以外の話題にします。 昨日、オバマ大統領がアメリカの大統領として初めて広島を訪問しました。演説も、被爆された人たちとの会話も、ニュースで見ていて真心を感じるものでした。 原子爆弾の投下から71年も経って、やっと実現しました。オバマ大…

放浪

『ジェーン・エア』の主人公は、確信に基づく行動のゆえに、頼る人も食べる物もなく一人でさまよいます。 ときどき人と接触するものの、親身になって助けてくれる人とは出会えません。後から振り返って自らの経験を述べているという形式の作品であることから…

確信

『ジェーン・エア』の主人公は、ある人物から愛情を伝えられ、その人の元を去ることが相手を悲しませることがわかり、しかも自らもその人とともにいたいと思いながらも、その人から離れていきます。 確信に基づく行動でした。法律や道徳は誘惑がないときのた…

告白

『ジェーン・エア』の今日読んだ箇所には、とても長いセリフが何度か出てきました。 それは、ある登場人物の自らの過去についての告白と、主人公に対する愛する気持ちの告白です。主人公と出会うまでにどのように苦しんできたか、そして、主人公と初めて会っ…

意志の力

『ジェーン・エア』の主人公は、自分にはどうすることもできなかった出来事によって精神的に大きなショックを受けます。 後で自ら振り返って書いているというこの作品の形式によるところもあるのかもしれませんが、この主人公の優れた点の一つは意志の力を働…

異議

『ジェーン・エア』の主人公はある登場人物とともに予定していたことを実行に移します。 不安に思っていることについては相談して一つの答えをもらいました。しかし、いよいよ実行している最中に、新たに現れた人から思いがけない異議を唱えられてしまいます…

婚約者との距離

『ジェーン・エア』の主人公は、突然プロポーズされて婚約します。 自分からも思いがあっての婚約であることから、舞い上がっても良さそうなものですが、そうはなっていません。社会の慣習の中で相手といわゆる釣り合いが取れていないことが、浮ついた気持ち…

余計な心配

『ジェーン・エア』の主人公には、あるとき、思いがけない良いできごとが起こります。そして、あっという間に生活に大きな変化が訪れます。 良いことでありながら、世間的にはただ喜んでもいられないということなのか、身近な人の中には一緒に喜ぶよりも心配…

雇い主の生活の変化とその影響

『ジェーン・エア』の主人公は、雇い主の生活の変化によって家庭教師としての仕事が終わりを迎えるかもしれず、自らその可能性があることを理解しています。 ここまでの話の中で主人公は、成長しながら活動する範囲を広げて育った地からどんどん遠ざかって行…

流血事件

『ジェーン・エア』主人公が住み込みで働いている家で人の命に関わるような事件がありましたが、しばらくたった頃に、今度は流血事件が起きます。 いすれも犯人はわかっているようですが、なぜかその人物は追及されず、不思議に思います。 その後、主人公は…

相手にされない立場からの観察

『ジェーン・エア』の主人公が家庭教師として雇われている家の主人がお客さんたちを招待してもてなす場面が続いています。 主人公はお客さんたちとは身分が違うことから、お客さんたちから対等に扱われることはなく、同じ空間にいても話をすることは基本的に…

ジェスチャー・ゲーム

『ジェーン・エア』には、ある登場人物たちがジェスチャーゲームをする場面があります。主人公は、それをする人たちと身分が違うということで参加せず、ゲームに興じている人たちを見ています。 このジェスチャーゲームでは現代の日本でするように題になった…

秘密

『ジェーン・エア』の主人公は、昨日の記事で触れた事件をきっかけに、同じ家で雇われている人たちのことを新しい目で見るようになったように思います。 その中で、ほかの人たちが自分に対して秘密を持っていると感じるようになります。これまではそのような…

犯罪(?)

『ジェーン・エア』の中で、主人公が住み込みで働いている家で、そこまでの話の進み方とは異なる種類の事件が起きます。犯罪かもしれない事件です。 主人公はその事件に気づいて、被害を受けそうだった人を助け出します。 謎解きが始まるのでしょうか。主人…

雇い主との問答

『ジェーン・エア』の主人公の新しい挑戦は家庭教師としての仕事です。 その雇い主は、変わった感じのする人です。今日読んだ箇所では、この人と主人公の問答の様子が述べられています。理屈っぽい、議論好きな人であるようですが、主人公は思わずしてしまっ…

「安楽すぎる椅子」

『ジェーン・エア』の主人公が新天地での生活を始めて3か月が過ぎる頃には、生活が単調になってきたようです。それほど、新しい役割をうまく果たせているということでしょう。 自らの生活を「安楽すぎる椅子」にじっと坐る人になぞらえています。物事がうま…

新天地

ここまで読んできた範囲では、『ジェーン・エア』の主人公の新天地での生活は順調に滑り出したように見えます。 家庭教師として住み込みで教えることになった相手は、大陸生まれでフランス語を使って生活してきた7歳か8歳ぐらいの女の子でした。「ホテルと…

挑戦

『ジェーン・エア』を読み進めていたら、あるところでは年月が一気に過ぎていきます。それに続いて、主人公の新たな挑戦が描かれています。 冒頭での、寄る辺ない、親戚から虐げられていた頃の様子からは、このような展開になるとは思いませんでした。主人公…

信頼

『ジェーン・エア』の主人公が入った学校の関係者には、生徒たちを信頼することについて対照的な姿勢の人たちがいます。 ある人は生徒を初めから信頼せず、ほかの人が生徒について言うことを確認もせずに受け入れます。ある人は生徒を信頼し、言い分を聞いて…

高い倫理観を示す人

『ジェーン・エア』の主人公が学校で知り合った仲間と話す場面を読みました。まだ友達といえるかどうかはわからない相手です。 この仲間は、主人公が見ている前で教師から厳しい仕打ちを受けます。主人公がその話をすると、自分に問題があると言います。そし…

セット販売の商品のバラ売り

最近、久しぶりにネットオークションで買い物をしました。買ったものは調理器具です。 欲しいものがあったのですが、普通に買おうとするとそれが含まれた複数の商品のセットでなければ買うことができなさそうでした。ほかのものは不要であったことから、単品…

新たな生活

『ジェーン・エア』の主人公は、それまで育ってきた家を去って遠く離れたところにある学校に行きます。 親を失った女子たちのために慈善活動として運営されている寄宿舎のある学校で主人公の新たな生活が始まります。主人公は本を読むことが好きなようで、初…

転機

虐げられてきた『ジェーン・エア』の主人公に、苦しい環境から逃れる機会が与えられます。 けっこう早い段階で転機が訪れたように思いますが、まだまだ波乱があることを示しているのかもしれません。 きっかけをくれた人との出会いは、育てられている家の中…

不遇の理由

『ジェーン・エア』を読み進めて、主人公が不遇の日々を送っている理由がわかってきました。 両親が亡くなって、母親の兄の家で育てられることになった後にその伯父が亡くなり、血のつながりがない人たちだけの家族の中で生活するようになったようです。必ず…

ブロンテ『ジェーン・エア』

ブロンテの『ジェーン・エア』を読み始めました。 新潮文庫に収録されている、大久保康雄氏の訳によるものを読んでいます。 ブロンテ姉妹については、この『ジェーン・エア』を書いたシャーロットと『嵐が丘』を書いたエミリーは知っていましたが、アンとい…

『風と共に去りぬ』を読み終えました

『風と共に去りぬ』を読み終えました。 有名な作品ですが、どういう話であるかを知らずに読んでいたので、結末は意外だと思いました。 主人公には当然ながら欠点があるものの、最後の場面でも示された前向きな考え方は、このブログの主を含めて多くの読者に…

自分の思いに気づくこと

『風と共に去りぬ』の主人公は、ある人に対する自分の思いに関しての真実に気づきます。 それまで前提として話が進んでいたことがらだったと思いますが、あることをきっかけに本当の自分の心を知ったように描かれています。 目に見えることのために実際に心…

子どもを甘やかすことの結果

『風と共に去りぬ』ではいくつかの親子関係が描かれていますが、その中の一つでは、かなり子どもが甘やかされています。 本来は制限があった方が良いところに制限を設けないことが、良くない結果につながる場面があります。フィクションであることから、かな…