3年目の世界文学全集への挑戦

40代既婚の男がふと思い立って世界文学全集に挑んでいます

2015-11-01から1ヶ月間の記事一覧

学のある血のつながっていない母親

『大地』の三世代目の中心として描かれている青年は、汽車で大都市に行って自分の母親ではない父親の妻を訪ねます。 この血がつながっていない母親は、新しい時代の女性です。自らは夫の兄夫婦の差配による縁組みで結婚していますが、この青年のことも含めて…

PayPalの障害

今日は本以外の話題です。 最近買ったNexus 5Xのためのケースが欲しくて国内のショッピングサイトを見ていたのですが、これだと思えるものがなく、アカウントを持っていながら一度も買い物をしたことのないeBayでも探してみました。すると、イギリスから発送…

向き合う親子

『大地』に出てくる親子関係は、しっかりと互いに向き合うことができていない関係が多かったのですが、一組の親子は仲良くなりはしないまでも向き合うことができるようになってきていると思います。 もともと父親は息子の教育に強い関心を持って、そばに置い…

再度の世代交代

『大地』の第二部を読み終えて第三部に入りました。 二世代目の人たちの老いについて言及されるようになってはいましたが、思ったよりも早く三世代目に話の焦点が移りました。 新しい世代が中心になっていくところの入れ替わりのしかたが鮮やかでした。もと…

祖母の面影

『大地』の二世代目の人たちも年を重ね、その子の世代が大きくなってきました。 三世代目の1人について、父親が見ていて自分の母親を思い出す場面が印象に残りました。母親とはつまり、第一部の主人公の正妻です。 この女性は、親に売られてお金持ちの家で…

新たな世代の結婚相手探し

少し前に、結婚相手の決め方について書きました。今日読んだ箇所では、それについて世代間で起こった衝突が描かれています。 二世代目として出てくる親の立場の人たちが子の結婚相手は親が決めるものだと考えているのに対し、その次の世代には自分が決めるも…

締まりのない二代目

『大地』の二世代目の1人は、父親からの遺産でぜいたくな暮らしをして、かなり肥満体になっているように描かれています。 学問の経験があるにもかかわらず、それはあまり役に立っていなさそうです。 その妻は育ちが良さそうで、世間についての知識も豊富で…

非情さを欠いた野心家

『大地』の、二世代目が中心の箇所では、故郷を離れて軍隊を率いている三男についての記述が多くなっています。戦争をしたりして動きが激しく、事件が多くなっています。 この三男は個人的な野心が大きい反面、ほかの人の苦しみについて平気でいることもでき…

結婚相手の決め方

4巻に分かれている文庫版の『大地』の第2巻を読み終えました。第3巻も第2巻から第二部が続くようです。 第2巻の終わりあたりに二世代目の三男が兄に妻を探してもらう記述があります。兄たちは父親に妻を決めてもらっていましたし、そのうちの1人は息子…

裏切りの発覚

文庫で4巻になっている『大地』の第2巻の終わりに近づく中で、ある登場人物が裏切りにあっていることが明らかになります。 第3巻の背表紙の説明を少し見たときに裏切りについて言及されていたので、だれかはわからないまでもそういうことがあることはわか…

抜け目ない二代目

『大地』の二世代目の1人は、父親の遺産を活用して商売をして、さらに財産を増やしています。 とても抜け目ない人として描かれていますが、それだけでなく顔からしてずるそうな人としても描かれていて、悪い印象があります。 経済的に豊かな家に生まれてさ…

ボジョレーヌーヴォー解禁

今日は今年のボジョレーヌーヴォー解禁の日でした。解禁を知っていても一口も飲まない年が多いのですが、今年は解禁日に飲みました。 このブログの主はいわゆるバブル経済の時期は法律で飲酒が認められていない年齢でしたが、その頃にボジョレーヌーヴォーが…

自分で道を切り開く二代目

『大地』は農業を中心に話が進んでいく気がしましたが、二世代目の1人が戦争によって権力を得る道を選んでいることから、戦闘の場面が出てくるように様子が変わってきました。 そういう進路を選ぶことを期待されて育てられたわけではありませんので、もとも…

遺産についての見方

『大地』の二世代目には、昨日取り上げた人のほかにも父親が遺してくれた土地をありがたいと思わない息子がいます。 農業に従事することを好まず、生まれ育った地を離れて軍人になります。優れた素質を持っているのか、そこで多くの人が従うような立場になり…

物事のとらえ方の違い

『大地』の二世代目は、土地について先代と異なる考え方を持っていて、同じようには土地を大事に思っていなさそうな様子は示されてきていました。しかし、今日読んだ箇所で、ある息子はただ大事に思っていないだけでなく否定的にとらえていることが述べられ…

大地の及ぼす影響

『大地』の登場人物は、大地主になった人物の二代目である3人の息子たちのほかに娘たちがいて、さらに先代の妾たちもいて、入り組んでいます。 息子たちの先代の遺志を尊重する心が乏しいのに対して、1人の妾はその遺志をとても大切に思っていて、そこに対…

首都高速道路の利用料金

今回は本とは別の話題です。 昨日、久しぶりに首都高速道路の利用料金について考える機会がありました。といっても、自分で運転して利用したのではなく、人に乗せていただきました。 自分で運転して利用したのはもうかなり前で、現金で600円か700円を…

大きな狙い

『大地』の二世代目の三男は、大きい野心を持っていることがわかりました。 ただ自分の軍隊を持ちたいと思っているのではなく、中国全土を支配することを考えているようです。歴史上、実際に中国を統一してその上に君臨した人たちがいますので、過去のことを…

新しい動き

『大地』の第二世代の3人の兄弟たちは、それぞれ異なった道を歩んでいて、性格もそれぞれかなり違うようです。 同じ敷地に住んでいる長男と次男の妻同士の不仲の様子が描かれているような箇所は起伏があまりなくあまりおもしろいと感じませんでしたが、1人…

父親の遺産

『大地』の第二部は、第一部の主人公の3人の息子たちを中心に話が展開していきそうです。今日読んだ箇所では父親の遺した財産の分配が行われます。 3人はそれぞれ別の道を歩み、そのうちの1人は住む場所も遠く離れています。そして、ここまで読んできた範…

世代交代

『大地』の第一部を読み終え、第二部を読み始めました。 第一部の中心だった人物はこの世を去り、その息子たちが主役になるようです。予習をせずに読み始めたので、途中で世代が代わると思っていませんでした。 第一部だけでも、一人の人生を描いた作品とし…

使用人になった隣人

昨日は主人公の親子関係の薄さについて書きましたが、今日読んだ箇所では、使用人としてとても良い働きをしてくれた年上の隣人との結びつきの強さを感じました。 その隣人が亡くなると主人公は涙を流して悲しみ、使用人としての通常のしかたよりも丁重な葬り…

親子の間の距離

『大地』の主人公は経済的に豊かになって、いわゆる成功者になったと思います。そして、自分が豊かになって終わりではなく、子どもたちを自分の能力を用いて生活の糧を得られる道に進ませてもいます。当時はそれが習慣だったのでしょうが、子どもたちの結婚…

コントロールできることを増やすこと

『大地』の主人公は農民であることから、天候などの自然が経済力に大きな影響を与えます。この作品の冒頭のあたりでは日照り続きで作物ができずに餓死寸前まで追い込まれます。 しかしながら、話が進むにつれて、持っている土地が増えただけでなく自然から来…

Better late than never.

『大地』の主人公は身近な人と別れることになりました。 その人の体調がかなり悪くなるまで心に留めていなかった主人公ですが、気遣いを示すようになりました。それまでの年月の過ごし方を考えると遅かったのですが、思いが変わったのは良かったと思います。…

戻ることのできるところ

昨日の続きで、道を踏み外した主人公はさらに泥沼にはまっていきます。しかも、自分の生活がおかしくなるだけでなく、家族まで巻き込んでしまいます。 そういう中で、ほかのことも影響しているとはいえ、立ち直ることができたのは気候の変化のために自分の土…

教育の大切さ

昨日、『大地』の主人公が子どもたちに勤勉さを伝えているという記事を書いたら、すぐその後の今日読んだ箇所で、畑仕事をさせるのをやめて学校に通わせ始めました。 経済的に豊かになっても、読み書きができないことを恥じたことがきっかけですが、子どもた…

勤勉さを伝えること

『大地』の主人公は自分が勤勉なだけでは終わりません。 子どもたちに田畑で働くことを経験させて、働くことの大切さを伝えようとしている様子が今日読んだ箇所で描かれていました。自分の努力で道を切り開いていける可能性を感じているからこそ、勤勉さを受…

働く意欲

『大地』の主人公の考え方の特徴的なところを今日読んだ箇所で見ることができました。 飢饉を逃れて移動してきた大都市で、貧富の不平等の不当性を訴える人の話を聞く場面がありました。富んでいる人は貧しい人を虐げて自分では働いておらず、そして、貧しい…

南への移動

『大地』の主人公は家族とともに、飢饉に見舞われている生まれ育った地を後にして南に移動します。 かなり遠くまで行くのかと思えば、汽車での100マイル位の移動によって、食べるものを見つけることには問題がない大都市に着くことができました。 人力車を引…