3年目の世界文学全集への挑戦

40代既婚の男がふと思い立って世界文学全集に挑んでいます

2016-10-01から1ヶ月間の記事一覧

進路に大きな影響を与えるようなできごと

『ジャン・クリストフ』の今日読んだ箇所には、主人公の進路に大きな影響を与えるようなできごとがいくつもありました。 初めてオペラを見たり、憧れの人に会ったり、人の助けによって期せずして作曲をしたり、自然の歌を聴くことを教わったり、人との触れ合…

大河

『ジャン・クリストフ』の主人公は、あることをきっかけにお仕置きを受けて一人で望まぬところに押し込められます。 そこからは家の近くを流れているライン川が見えます。その変わらぬ流れを見ることが主人公を力づけてくれます。 まわりの小さなことに影響…

才能

『ジャン・クリストフ』の主人公は、その方面の才能に恵まれているようで、ほかの人たち以上に音楽を楽しむことができるようです。 音楽を心と体で楽しむというのでしょうか、だれに教えられたわけでもなく、理屈抜きに人の演奏を楽しんでいます。難しい状況…

音楽との出会い

『ジャン・クリストフ』の主人公は音楽家の家庭に生まれながら、実際に楽器に触れたのは学校に通うような年齢になってからのことでした。子どもとしての主人公の目を通して見た楽器の様子が巧みに描かれています。 現代の日本であれば、録音された音楽を聴く…

恐怖

『ジャン・クリストフ』の今日読んだ箇所では、主人公がさまざまなものを恐れる様子が描かれていました。子どもの頃のことですので、実際に身の危険があって怖がっているわけではないのですが、子どもの感じそうな恐怖がうまく記されています。 子どもという…

現実との接触

『ジャン・クリストフ』の今日読んだ箇所では、主人公の子ども時代の記述が続いていますが、家庭の外との関わりが増えてきています。 家庭の外で、それまでには触れてこなかったような現実に触れざるを得なくなります。生まれた家庭の状況が順調でないために…

子ども時代の描写

『ジャン・クリストフ』は長い作品だけあって、主人公の子ども時代の描写も長めになっています。 祖父との関係や、取り囲まれている自然に関する記述が、自分の経験とは異なるながらも、幼い頃の良い思い出のようなものについて考えさせてくれる気がします。…

ローラン『ジャン・クリストフ』

今日、ローランの『ジャン・クリストフ』を読み始めました。 岩波文庫に収録されている豊島与志雄氏の訳によるものを読んでいます。 以前から知っている作品ですが、かなりの長さの作品で、興味はあってもハードルは高かったと思います。ロランの作品自体、…

『城』を読み終えました

『城』を読み終えました。 未完の作品ということですが、まだかなり続きがありそうなところで終わっていると思いました。 不条理を描いている作品だと思って、その先入観が強かったせいか、想像していたよりも話を追いやすいと感じました。主人公が社会の中…

官僚の影響力

『城』の舞台となっている村では、そばにある城で働いている人たちの行動が大きな影響力を持っているようです。城の人たちとどういう関わり方をするかが、生活を大きく左右します。それは健全でないように描かれていると思います。 実際の世の中で起きる可能…

目立たなかった人物の長いセリフ

『城』の後半には、1人の人の数ページにわたる長いセリフが何度も出てきます。今日読んだ箇所にもそのようなセリフのひとつが出てきました。 これまでにも少し登場していながらもあまり目立たなかった人物が、急に長く話し始めました。この人が、主人公やそ…

人の思いを忖度すること

『城』の主人公は、役人たちの集まっている場所で、呼び出されたために一人の役人と、呼び出されたわけでなくもう一人の役人と話をします。その後、そこにいる役人たちに書類が配られる様子を見ます。 書類が配られる様子を見ていたことが、当事者である役人…

明らかになってきた関係

『城』を読み進める中で、望むことに向けてなかなか前進できなかった主人公が、状況が変わるきっかけをつかめたかもしれません。 それとともに、前から登場していた人物同士の主人公には見えなかった関係が明らかになってきました。意外な人から意外な仕打ち…

村八分

『城』の最近読んでいる箇所では、ある家族が村八分にされる様子が長めに描かれています。 そのきっかけと結果の関係に理不尽なものを感じますが、権力者の気に入らないことをしたら村八分にされたというのはありそうなことです。もっとわかりづらい話を予想…

小見出しのついた記述

『城』は章に分かれていて、1から順番に番号がついています。しかし、今日読んだ箇所にはそれとは別に小見出しがついていました。 この後にも出てくるかもしれませんので、この箇所に限ったことではない可能性もありますが、目立たせたい重要な記述なのでし…

Facebookの誕生日の通知のメッセージ

今日は本とは違う話題にします。 先日(といっても結構もう日が経っています)、誕生日を迎えました。今年は、Facebookの誕生日の通知をオフにしていました。その結果、Facebook上でのお祝いのメッセージはなくなりました。 ほかの人の誕生日の通知を見て連…

現場への負担

『城』の主人公は、交渉の相手と使者を通じてやり取りをしています。今日読んだ箇所では、その使者がどういう環境でその務めをしているかを身近な人が話していました。 外部の人との接点として動く人にとって負担となるような状況があることが述べられていま…

官僚機構

『城』では、官僚機構が批判的に描かれていて、主人公が滞在している地のことわざとして「お役所の決裁は、若い娘っこの返事のように煮えきらない」という言葉が紹介されています。 実際に、主人公にとってはいわゆるお役所仕事に行く手をふさがれているよう…

普通っぽい場面

『城』を読み進め、会話が長く続く場面を読みました。背景となっている主人公の境遇は不条理だと思いますが、このあたりの記述からは不条理という印象は受けません。普通に筋が通っているような気がします。もっと難しい話かと思っていたので、意外に思いま…

味方

『城』の主人公は知っている人が一人もいない地に来ています。出会うほぼすべての人が敵対的な態度か無関心な態度を示す中で、味方になってくれる人が一人いました。その人も、精神的な支えになるとしても、主人公にとって具体的な助けになるわけではありま…

影響されすぎないこと

『城』の主人公の身には理不尽なことが続けて起こっていますが、それに影響されすぎていないように見えます。 人からされることに動じないからこそ、この作品の話が進んでいるように思います。動じすぎる人であれば、その人の話は作品として成り立たなさそう…

ロジクールのワイヤレスキーボード

今日は本ではない話題にします。 電池の液漏れで使えなくなったアップルのワイヤレスキーボードに代わって使うつもりで、ロジクールのK380というワイヤレスキーボードを買いました。 アップルの純正のものほどの高級感はありませんが、買った目的は果たして…

小学校の教師

『城』の最近読んでいる箇所では、主人公がさまざまな人たちと口頭で対決しています。 新たな相手は、村長の手伝いをしている小学校の教師でした。教師といえば重要な役割だと思いますので、それに加えてほかの仕事をすることには違和感があります。公立の小…

イタリア人の登場人物

『城』の舞台になっている場所は架空の地だと思いますが、冒頭からしばらくは、あまり珍しくないと思われる登場人物の名前以外には、人名も地名も出てきませんでした。 しかしながら、人のセリフの中に出てくるある人物は、イタリア人であると言われています…

でたらめ

『城』の主人公は、でたらめだと思うような扱いを人から受け、そう感じていることを伝えます。 この作品では確かにかなりでたらめなことが起きています。強調して描かれているので目につきますが、それよりも小さい水準では現実に起きていることのように思い…

不都合な状況

『城』を読み進める中で、主人公が現実の世界にもあるような不都合な状況を経験しているように感じました。 たとえば、どのような立場に生まれたかによって属する社会が異なるようになって一方からもう一方に行くことを制限されてしまったり、人から監視され…

不思議な感じ

『城』の主人公は、自分が何者であるかを人に伝えていながら、それは事実とは違いそうな様子です。そもそも、話が展開している地にこの主人公が来た理由もよくわかりません。どのような人物であるのかが示されないままに話が進んでいき、不思議な感じを受け…

カフカ『城』

今日、カフカの『城』を読み始めました。 新潮文庫に収録されている前田敬作氏の訳によるものを読んでいます。 カフカの作品は、高校生のときに『変身』を読んで以来です。 難解なのではないかと思っていましたが、これまでのところ文章は難しくはありません…

『女の一生』を読み終えました

『女の一生』を読み終えました。 汽車が走っていることに驚くような、時代に取り残された過去の人に主人公がなってしまっていたような記述の後で、過去を懐かしむ場面があり、過去に生きることしかできなくなったように見えましたが、その後で未来へとつなが…

アップルのワイヤレスキーボードの故障

今日は本とは別の話題にします。 最近、iMacで使用しているワイヤレスキーボードが故障しました。 使おうとしたところ認識されなかったので、電池切れかと思って交換しようとしたところ、2本のうち1本しか出てきませんでした。のぞいてみると、もう1本に…