3年目の世界文学全集への挑戦

40代既婚の男がふと思い立って世界文学全集に挑んでいます

2017-03-01から1ヶ月間の記事一覧

エイハブ船長登場

『白鯨』を読んだことがなかったこのブログの主もエイハブ船長という名前は知っていました。ついにそのエイハブ船長が登場しました。 優れたリーダーだろうと想像しますが、これまで読んだところではただ威圧的な年老いた人のような印象を受けます。どういう…

仲間の乗組員たち

『白鯨』の主人公は、乗った捕鯨船が出帆した後、同じ船に乗り組んでいる仲間たちを紹介しています。 捕鯨は命がけの仕事だと思いますが、鯨や危険に対するそれぞれの人物の態度の違いがおもしろいと感じます。一つの目的のために集まったチームにどのような…

捕鯨に対する思い

『白鯨』の主人公が乗った捕鯨船が出帆しました。その船について多くの持分を所有している人物たちが水先案内として初めの方だけ乗船している様子から捕鯨に対する思いが感じられます。 乗った船が海に出た後で、主人公が捕鯨がいかに良いものであるかを記し…

出帆直前の様子

『白鯨』の主人公が乗組員になる捕鯨船の出帆が近づいています。3年の航海に備えるために、かなり大がかりな準備が必要とされます。 旅立ちの前に主人公は若干不安にさせるようなことを言われます。そういうことを聞いていなくてもトラブルがあっておかしく…

預言者

今日は『白鯨』の中の「預言者」という題のついた章を読みました。 聖書に登場する預言者と同じ名前の人物が主人公たちの前に突然現れて、気になることを言います。聖書では、主人公たちが乗る予定の捕鯨船の船長と同じ名前の王と、この章で主人公たちが出会…

好待遇

『白鯨』の主人公の友人は、その高潔な心や運動能力をすでに示していますが、その力を見せる場面がまたありました。 捕鯨船のオーナーがこの人物と契約をしたがって、主人公と比べてかなりの好待遇を提示したことから、その見せた力がどれほどであったかがわ…

好まれない名前

『白鯨』のある主要な登場人物には、聖書に出てくる邪悪な王と同じ名前がついています。好まれない名前であるはずですが、なぜそのように名付けられたかについて、ほかの人物の口から簡潔に説明がありました。 以前読んだ『ヤバい経済学』という本に、おかし…

配当

『白鯨』の主人公は、乗員になろうとする船を決めて、その意思表示をします。 乗船を認められて報酬の話になります。米国では捕鯨船の乗員の報酬は、成果があった場合に配当として与えられるようです。仮に成果がなくても食事は与えられるようですので、生活…

ナンタケット

『白鯨』の主人公とその友人は、ナンタケットという町に移動します。 ナンタケットとは見たことのある地名だと思ったら、ゼネラルエレクトリックのCEOだったジャック・ウェルチ氏の自叙伝に出てきてきていました。別荘を持っているようです。 現在は避暑地と…

新しい友人 その2

昨日の記事に書いた『白鯨』の主人公の新しい友人は、やはりかなり重要な役割を果たすことになりそうです。 今日読んだ箇所では、その人物の過去が紹介されました。心の面でも身体的な面でも優れたところを示す場面がその後に続きます。人種差別のようなこと…

新しい友人

『白鯨』の今日読んだ箇所では、主人公とある人物との関係が大きく近づきます。 互いにそれまでの背景がまったく異なる2人であることから、とても良く補い合うことができるのではないかと思います。この友人も主人公がしようとしている捕鯨船での仕事に一緒…

ヨナ書に関する説教

『白鯨』を読み進め、牧師による説教の場面を読みました。 聖書のヨナ書からの話で、ヨナ書の記述があっさりしているところについても想像を膨らませて話していて、ためになる指摘もある説教です。 聴衆が捕鯨船の関係者であるということで、鯨だとされてい…

説教壇

『白鯨』の主人公が入った礼拝堂の中にある説教壇について、見た目に関する記述がありました。 実在のものだということで、ウェブの検索をすると写真を見ることができました。このブログの主の想像力が足りないのでしょうが、写真で見たようなものはまったく…

危険な仕事

『白鯨』の主人公は、捕鯨船に乗る人たちが出発する前に行っていたという礼拝堂に行きます。著者のメルヴィルもそこに行ったことがあるそうです。 そこで示されているのは、捕鯨は命まで危険にさらすような職業である、ということです。そして、命を落とした…

未開の地の人

『白鯨』の主人公は、期せずして同じベッドで寝ることになった同室の客の行動に驚きます。 この同室の人物は、いわゆる未開の地の人として描かれていますが、この作品の背景になった時代に、実際にそういう人たちが米国にいたのでしょうか。それとも、筆者の…

同宿人

『白鯨』の主人公は、しかたなしに見知らぬ人と同宿することになります。 今日読んだ箇所では、主人公は先に横になっていて、同宿人が後から夜遅くに現れます。 この同宿人は、普通にいそうなアメリカ人ではなく、外国人のようです。偶像を拝んだりする様子…

宿屋の場面

『白鯨』の今読んでいるあたりでは、しばらく主人公(やはり「わたし」と称している語り手が主人公なのでしょう)が滞在している宿屋を舞台にした記述が続いています。 最近読んだ『城』にも宿屋の場面があったことを思い出しました。初めて行った地で訪れる…

洒落のきいた話

『白鯨』はひとつひとつの章が短めで、テンポよく話が進みます。そして、洒落のきいた表現がところどころに出てきます。 新潮文庫に収録されている田中西二郎氏の訳によるものを読んでいますが、こちらは注が充実しています。このブログの主はキリスト教徒で…

商船から捕鯨船へ

『白鯨』の語り手が船に乗ろうとするのは、人生をリセットしたいからではなく、それまでも水夫としての経験を重ねてきているようです。 商船で働いてきたこの人物が捕鯨船で働こうと思った動機は、鯨に心を引かれたからであるようです。現代のように鯨が動い…

海に出ること

『白鯨』は「わたし」による一人称の語りの形式で記述されています。読んだことがなくても名前は知っている重要な人物が出てくると思いますので、この語り手が主人公であると判断することはできません。 語り手が船に乗って海に出ようとするところから話が始…

メルヴィル『白鯨』

メルヴィルの『白鯨』を読み始めました。 読み始めたといっても、はじめの方は、鯨について書かれた昔の文献の引用が続いています。鯨が多くの文献で取り上げられていることがわかっておもしろいのですが、まだ話の内容には入っていけていません。

『ジャン・クリストフ』を読み終えました

『ジャン・クリストフ』を読み終えました。 主人公であるクリストフから記述が長い間外れて、クリストフ以外にも数人の登場人物についてかなり詳しい描写がありました。このブログの主の読み方が浅いせいかもしれませんが、その人物が登場しなくても話の展開…

一人でも孤独でない人

『ジャン・クリストフ』を読み進め、いよいよあと数ページになりました。 主人公であるクリストフは、自分のそれまでの人生を振り返り、一人でいたときも孤独でなかった、と考えます。親しい人たちがそばにいなくても、心がつながっている、ということがクリ…

執着心の弱まり

『ジャン・クリストフ』が結末に近づく中で、主人公のクリストフの執着心が弱くなっている様子が見えます。 個人のことだけでなく、社会の風潮についても、状況に左右されなくなってきています。 自分にできることはしてきたという思いからなのか、物事は変…

西欧の両翼

『ジャン・クリストフ』の主人公であるクリストフは、ドイツで生まれ育った後、フランスで生活しました。そして、「西欧の両翼」たる両国の国民は相互に異なることで補い合えると考えています。これは大切な考え方であると思います。 ある国民とほかの国民の…

ヨーロッパでの世界大戦

『ジャン・クリストフ』を読み進め、最後かもしれない章に入りました。 そこでは、戦争の影がヨーロッパを覆っているところから記述が始まっています。二国間の関係が悪化しているというよりも、もっと広い範囲で国同士が対立している様子です。 最近読んだ…

平静さ

『ジャン・クリストフ』の主人公であるクリストフはあるとき、とても大きな打撃を受けるようなことを知らされます。 クリストフがそれを知らせる手紙を受け取ったときにそばにいた人物が、その後で事情を知って会いにいくと、クリストフは平静を保っていた、…

金色の果実

『ジャン・クリストフ』の主人公であるクリストフは、下の世代の人たちから批判を受ける立場になっています。 ある身近な人物と話す中で、クリストフが批判を問題としていないことが示されています。そして、「実を結ばぬ木は苦しめられない。金色の果実を頭…

若者との関係

『ジャン・クリストフ』を読み進めたところ、少し前にしばらく登場して、もう出てこないと思っていた若者がまた主人公であるクリストフの前に姿を現しました。 クリストフは人生の先輩としてこの人物に諭しを与えますが、聞く側にはあまり影響がないようです…

老夫婦

『ジャン・クリストフ』の主人公であるクリストフは、またある人たちと久しぶりに再会します。今回は、しばらく会わないうちに老夫婦となった男女が相手です。 この老夫婦の描写が2人が互いを大切にする様子を示していて、クリストフも感動したようですが、…