3年目の世界文学全集への挑戦

40代既婚の男がふと思い立って世界文学全集に挑んでいます

2016-07-01から1ヶ月間の記事一覧

遺産の相続

『白痴』のある登場人物は、予期していなかったところから相当な遺産を相続することになりました。そのことは、この人物の生活に多大な変化をもたらします。 最近読んだほかの作品でも予期せぬ相続がありました。話の進み方に大きな影響を与えるできごとです…

第一編の終わり

『白痴』の第一編を読み終えました。 最後は、それまでに少しずつ紹介されてきた登場人物が入り乱れて、ある女性がどの男性と結婚するかをめぐって目まぐるしい動きがあったり、大金が暖炉に投げ込まれたり、といった激しい記述で締めくくられました。 純粋…

不愉快な遊び

『白痴』の主人公が招かれずに参加した集まりで、ゲームが始まりました。 ある参加者から提案があり、それまでにしたことの中で最も悪いことを順番に話していくことになりました。 話す人にとってはそのつもりはないのかもしれませんが、自慢げな様子に見え…

招かれていない集まりへの参加

『白痴』の今日読んだ箇所では、主人公がある集まりに招待されていないにもかかわらず参加しようとします。 理性的な判断をしたからではなく、感情に促されての行動であるようです。強い動機を与えられるような状況があったことと、主人公の子どものような無…

話題の人物の登場

『白痴』を読み進める中で、当初は人の言葉の中で言及されているだけであった人物が実際に登場しました。 ほかの登場人物たちにとって意外なしかたで現れたこともあると思われますが、この人が加わってから、衝突が激しくなっています。ほかにも、言っている…

『白痴』の今日読んだ箇所では、主人公と一緒にいる人物が、本人に聞こえるような言い方で主人公のことを「白痴(ばか)」と言う場面があります。そのような失礼な行いに対して主人公は容認できないことを示します。 そのように言った人物の状況が明かされて…

子どものような心

『白痴』の今日読んだ箇所では、主人公が病気の療養でスイスにいたときの経験を長く話していました。 子どもたちから良くない扱いを受けながらも正面から接し続けて慕われるようになり、その子どもたちに虐げられていたほかの人への子どもたちの態度も変える…

主人公の症状

『白痴』の主人公は、遠い親戚(かもしれない)人と初めて会い、その家で頼まれて自分の身の上話をします。 白痴というのは主人公が自分自身について言っていることですが、癲癇の発作が起きることが問題であるようです。その問題と白痴という言葉とが結びつ…

登場する前に紹介される人物

『白痴』を読み進める中で、一度も登場しないにもかかわらず、主人公が関わっている会話でよく話題になる人物がいます。 その人について、だれとどういう関係にあるのかが示されてきました。そのうちに主人公と直接会う場面があるのではないかと思いますが、…

親戚付き合い

『白痴』の主人公は貴族の家柄の人ですが、家族がもういなくて、親戚も遠い人が一人いるだけのようです。その一人は、困っているときに手紙を出しても返事をくれなかった様子です。 とれぐらい遠い親戚なのかはわかりませんが、家柄を重んじていて、しかも数…

死刑廃止論 その2

先日、『魔の山』を読んでいるときの記事で死刑廃止論に触れましたが、『白痴』を読む中でも死刑に反対する意見を述べている登場人物がいました。この人物が主人公であるようです。 死刑の宣告を受けて生きる希望が確実に奪い去られた状態で死ぬのは、確実に…

ドストエフスキー『白痴』

今日からドストエフスキーの『白痴』を読み始めました。 新潮文庫に収録されている木村浩氏の訳によるものを読んでいます。 ドストエフスキーの作品を読むのは、『罪と罰』と『カラマーゾフの兄弟』に次いで3作目です。『カラマーゾフの兄弟』の謎ときの本を…

『魔の山』を読み終えました

今日、『魔の山』を読み終えました。 かなりの長編ですが、結末であっという間に変化が訪れました。 世間から離れたサナトリウムに滞在して時間の感覚が多くの人の感覚とは異なるようになっていた主人公ですが、時代の動きはこの主人公の生活も変えました。 …

決闘

『魔の山』の今日読んだ箇所では、主人公が親しく付き合ってきた人たち同士が決闘をすることになります。 銃を使っての決闘ですから、恐ろしいものです。その背景として、主人公が滞在しているサナトリウムでは人の心が荒れてさまざまな衝突が起きている様子…

超自然の現象

『魔の山』の主人公が滞在しているサナトリウムで、超自然の現象が流行しました。 ある女性がそういう現象について強い感覚を持っているのいうことで、患者たちが「こっくりさん」と訳されている遊びをしたり、このサナトリウムで働いている医師が中心になっ…

音楽の教養

『魔の山』の主人公の心の虚しさを解決するのは音楽かもしれません。 滞在しているサナトリウムで蓄音機が購入され、管理を買って出た主人公は、それを個人でも楽しむことができるようになりました。 聴いたレコードの一例として、アイーダが挙げられていま…

台風一過

『魔の山』の結末に近くなってから登場した影響力の強い人物は、突然姿を消しました。 その後、どれぐらい時間が経過しているのかはわかりませんが、主人公は無感覚の状態になっています。いなくなった人物から受けるものが大きく、それがなくなった後を埋め…

メジャーリーグのオールスターゲーム

今日は本ではない話題にします。 夜、自分でつけたわけではないテレビでメジャーリーグのオールスターゲームの録画が流れていました。 1年に1試合しかありませんし、チームの数が多く選手の数も多いことから、選ばれて出場するのはとても特別なことだと思い…

「傾聴に値いする」

『魔の山』の主人公は平凡な人として描かれていますが、そのまわりには人がよくいます。 今日読んだ箇所で、その理由としてこの人物がどのような話も「傾聴に値いする」(送りがなの「い」は原文のままです。)と考えることが挙げられています。 確かに、話…

魁偉な人物

『魔の山』の最後の章になって、新たに目立つ人物が登場しました。 魁偉な人物と評される人で、かなり影響力のある人として描かれています。主人公が滞在しているサナトリウムに女性と一緒に来ているものの結核ではないようです。経済的に豊かな人で、まわり…

ある登場人物の最期

『魔の山』の今日読んだ箇所では、ある登場人物の人生が終わりを迎えます。 医療施設が舞台であるだけにこれまでにも亡くなった人が何人かいましたが、人が亡くなることについてはかなりあっさりと描かれていました。施設の中ではよくあることである、という…

選挙の投票率

今日は本ではない話題にします。 参議院の選挙がありました。今日投票してきました。 開票速報を見て思うことはいくつかありますが、その前の段階のことを考えたいと思います。投票率が6割に満たないとは、もったいないことです。人類の歴史上、年齢だけが…

出戻りの患者

『魔の山』の舞台になっているサナトリウムでは、病気が十分に治癒していなくても自分の意思で退院していく人がいます。 主人公の身近な人で、そのようにして去っていたある人物が、元と同じ体の問題で戻ってきました。退院せずに治療を続けていた場合よりも…

吹雪

『魔の山』の主人公は、スキーをしながら遠くまで来て、吹雪の中を戻ろうとしています。 元々来た経路には戻れないらしく、ほかのところを通ってでも戻ろうとしますが、しばらく進んだら前にいた場所に戻ってきたりして、なかなか難しいようです。 眠った方…

死刑廃止論

『魔の山』の最近読んでいるあたりでは、登場人物同士の議論が多くなっています。 今日読んだところでは、拷問の是非、土葬と火葬のどちらが良いか、といったことのほかに死刑の是非についても議論が行われています。死刑を廃止すべきだと言っている人の論拠…

スキーへの挑戦

『魔の山』の主人公は、あるときに思い立ってスキーを始めます。 雪がよく降る土地で、しかも雪がさらに多く降っている年という設定です。ボブスレーの競技をする場所が近くにあるようですが、スキーをする人があまりいないところを選んで滑ることは可能であ…

外界からの訪問者が明らかにするもの

『魔の山』の主人公がサナトリウムへの滞在を通して変化していることが、ある訪問者との接触を通じて浮き彫りにされます。 時間の感覚も温度の感覚も、平地にいたときの元々の感覚とは異なっています。また、サナトリウムでの生活に対する自信のようなものも…

サナトリウムを去ろうとする人

『魔の山』の今日読んだ箇所では、主人公の身近な人物がサナトリウムを去る決断を実行に移します。 若くして病気になり、当初考えていたよりも療養が長くなる中で、社会での自分の位置について焦る気持ちがあるのだと思います。仮に時間をかけて完治してから…

イエズス会士

『魔の山』のある登場人物について、イエズス会士だということが明かされました。 この人物は、会話の中で、地動説ではなく天動説を信じているというようなことを言っています。 また、住まいについて、外から見ると質素だけれども中に入ると高級なものを使…

議論好きの人たち

『魔の山』の今日読んだ箇所では、主人公と同じサナトリウムに滞在していて、そこを出て近所で暮らしている人物とその同居している人物とが議論をしています。この人たちの議論はその少し前にも出てきます。 一人が一気に長く話すので、議論の中で、かなり長…