3年目の世界文学全集への挑戦

40代既婚の男がふと思い立って世界文学全集に挑んでいます

2017-02-01から1ヶ月間の記事一覧

独身男性の部屋

『ジャン・クリストフ』の主人公であるクリストフは、最近読んでいるあたりでは、パリで一人暮らしをしています。 あるとき、ある女性に普段の生活のありのままの状態の部屋を見に来られることになりました。話の成り行きにより、断ることも掃除をしておくこ…

機知と生気に満ちた若者

『ジャン・クリストフ』の今日読んだ箇所は、主人公であるクリストフともう一人の人物の会話が多くの部分を占めていました。 その会話の相手は若い人で、機知と生気とに満ちているというようにいわれていますが、実際におもしろいことを言っていて、クリスト…

再会

『ジャン・クリストフ』が終わりに近づく中で、しばらく前に登場していた人たちが再び主人公であるクリストフの前に姿を現すことが続いています。クリストフがしばらく離れていたパリを再び訪ねることがそれにつながっています。 今日読んだ箇所で描かれてい…

年齢のとらえ方

『ジャン・クリストフ』を読み進め、かなり終わりに近づいてきました。主人公であるクリストフの年齢は示されていないのですが、それほど高齢だとは思いません。ですけれども、後に続く世代との違いが描かれてもいます。 この作品の背景となっている時代のヨ…

詩集の著者

『ジャン・クリストフ』の主人公であるクリストフは、本屋で詩集を手にして読み始め、それを買って持ち帰って読み、その後で著者を探し当てて直接会います。 その著者はクリストフがもともと知っている人物でした。この人物の再登場は意外でしたが、考えてみ…

長い手紙

『ジャン・クリストフ』の主人公であるクリストフは、再びパリに滞在します。そこで、ローマにいる女友だちと長い手紙のやり取りをしています。 その中でおもしろいと思ったのは、クリストフが知り合ったある人物についての長い記述です。クリストフにとって…

ローマ

『ジャン・クリストフ』の主人公であるクリストフは、ローマに留まる中でそこにある良いものに対して目が開かれてきたようです。 とても豊かな歴史のある街であることから、何かは心に触れるのが当然である気がします。そうはいっても、この作品の背景となっ…

親しいお友だち

『ジャン・クリストフ』の今日読んだ箇所は多くが男女間の会話でした。 その中で、より親密な関係を求める男性に対して女性の側が「親しいお友だち」としての関係を続けることを主張しています。 「いいお友だちでいましょう」というのは、日本では男女間で…

イタリアの海

『ジャン・クリストフ』の主人公のクリストフは、ローマへ移動します。その最中に、鉄道の不具合のために海が見えるところで足止めされます。 そ景色が気に入ったらしく、クリストフはその地に数日滞在します。スイスからローマへ移動する途中であることから…

ドイツ人から見たイタリア人

『ジャン・クリストフ』の主人公であるクリストフは、自分から好んでではなくローマに行くようです。 そのことについて述べられていた箇所に、北方の人から見た南方の人の印象が記されていました。饒舌で大風呂敷を広げる、というように見ていて、それは昔か…

人から評価されない芸術

『ジャン・クリストフ』の主人公であるクリストフは、難しい時期を脱して、芸術家としての創作もハイペースで進むようになりました。 その作品は、自らの心から出てくるものをそのまま形にしたもののようで、通常の物差しで評価できる範囲を超えている様子で…

戦う態度

『ジャン・クリストフ』の主人公であるクリストフが、生きることについて新しい考えを持つ場面を読みました。 戦う態度を持ち、その戦う動機を自分一人のものとして持つのではなく、人類全体の一部である自分のものとして持つということをクリストフは考えま…

再度の彷徨

『ジャン・クリストフ』の主人公であるクリストフは、しばらく落ち着いていた地を離れてさまよいます。 生きる目的となってくれることを期待したことが実現せず、目的を失ったような状態になりながらも、生きることを諦めることはしません。 外をさまよう中…

越えてはいけない線

『ジャン・クリストフ』の今日読んだ箇所では、主人公であるクリストフがあることについて越えてはいけない線を越えます。そして自らを咎めます。 ずるずると引きずり込まれる様子は蟻地獄のようでした。読んでいて愉快でない記述でしたが、人間についての事…

変身

『ジャン・クリストフ』の今日読んだ箇所では、クリストフのそばにいる静かな女性が大きな変化を見せます。 その場面より前でも、この人物が意外な面を見せるところはありましたが、それ以上に劇的な変化だと思いました。 この変身の理由が後で示されるかは…

同質性の高い社会

『ジャン・クリストフ』の主人公であるクリストフは、スイスのある町で生活することになりました。 それまで住んでいたパリと比べると規模がかなり小さい共同体である様子です。その町の人たちのことが述べられていたところによると、かなり同質性の高い社会…

不幸によるテスト

『ジャン・クリストフ』の最近読んでいるあたりでは、主人公のクリストフが感情的に難しい日々を過ごしています。 その中で、芸術は不幸によって試されるというようなことが書かれていたと受け止めています。真の芸術は不幸な状況の中にある人にとって益にな…

彷徨

『ジャン・クリストフ』の主人公であるクリストフはパリを離れ、ひとりでしばらくさまよい歩きます。 飢え、疲れ、苦しみながらある人物の家に身を寄せることができます。そうして落ち着ける場所を得ても、精神的なショックも影響しているのでしょうが、すぐ…

5月1日

『ジャン・クリストフ』の今日読んだ箇所では、5月1日という日付が示されて、話がその日に向けて進んでいきます。5月1日はいわゆるメーデーです。 その日に何かがありそうな雰囲気が漂う中でそれまでの日々が過ぎます。そして当日、労働者によるストライキが…

長い目線

『ジャン・クリストフ』の主人公であるクリストフと友人が関わっている革命運動には、さまざまな考えを持つ人がいたようです。 その中で、その友人が言っていることが印象に残りました。趣旨としては、革命は自分たちのためのものでなく、1日でできるもので…

難しい環境で育った少年

『ジャン・クリストフ』の今日読んだ箇所では、また新しい人物たちが登場します。そのうちの一人が、主人公であるクリストフの友人と近い関係を築き始めます。 この人物は、家族との関係の面でも健康の面でも経済的な面でも難しい環境で育ってきた少年です。…

労働運動

『ジャン・クリストフ』の主人公であるクリストフは友人と一緒に労働運動に関わっていきます。この作品の背景となっている時代の情勢を反映しているのかもしれませんが、意外な展開です。 クリストフたちが交際しているその運動の関係者の人物像がけっこう詳…

投票に対する考え方

『ジャン・クリストフ』の最近読んでいる箇所では、革命思想も含めて政治的な考え方についての記述が続いています。 当時のフランスの政治の情勢に関して知らないこのブログの主にとってはわかりづらい内容ですが、ある登場人物の言っていることはわかりまし…

寒の明け

今日は本とは違う話題にします。 立春になり、寒が明けました。子どもの頃、雪は(本当にそうだったかはわかりませんが)ほかの月よりも2月に降ったという印象があり、2月はとても寒いと思っていましたが、暦の上では小寒から昨日の節分までが寒と呼ばれて…

人の幸福の探し方

『ジャン・クリストフ』の主人公であるクリストフの友人は、社会問題に関心を向けます。クリストフとこの友人は、ほかの人たちの幸福について対照的な考え方をしています。 クリストフは、人を幸福にしようと思うならば自分が幸福でなければならないと考えて…

隠れた味方

『ジャン・クリストフ』の主人公であるクリストフにとって、芸術家としての状況は好転してきました。今日読んだ箇所で、その理由が明らかになりました。 ある人物がクリストフの知らないところでその益になるように働きかけをしてくれていました。以前会った…

いっしょに抜け出そうよ

『ジャン・クリストフ』を読み進めて、昨日から続いている主人公であるクリストフと、同じ建物に住む女性との対話の続きを読みました。 女性の立場から、自分たちは弱いから男たちは女たちを助けてくれなければならない、とクリストフの話し相手は言います。…