3年目の世界文学全集への挑戦

40代既婚の男がふと思い立って世界文学全集に挑んでいます

2016-11-01から1ヶ月間の記事一覧

シャペコエンセの人たち

今日は本とは違う話題にします。 ブラジルのサッカーチーム、シャペコエンセの監督、選手、スタッフが乗った飛行機の墜落事故はとても残念です。亡くなった方々の家族をはじめ身近な人たちの心が守られるように、救出された人たちが健康を取り戻せるように、…

異民族の友人とその家族

『ジャン・クリストフ』の主人公の新しい友人はユダヤ人で、主人公はこの人物の家に招待されます。 友人の父親は金持ちの銀行家として描かれています。ユダヤ人の富裕な銀行家というのはいかにもフィクションにありそうな設定だと思いますが、この作品が書か…

死者よりいっそうよく死んでいる生者

『ジャン・クリストフ』に新たな人物が登場しました。 古いものを捨てるべきであると考えるその人物と、主人公は知り合いになります。今日の記事の題名は、その人物の言葉から取ってきています。 すでに世を去った人の影響が残り続けていることについて話し…

悪評の結果

『ジャン・クリストフ』の主人公の悪評は、実際の演奏の場で結果として現れます。非常に高い地位の人と直に接触するような立場になっていましたが、その地位の高い人からも見放された様子です。 狭い社会の中で起きていることですので、そこでの生活はかなり…

悪評

『ジャン・クリストフ』の主人公は、自らの考えを遠慮することなしに表明することで、周囲の人たちとの関係を悪化させ、悪評が広がります。 ドイツが輩出した偉大な音楽家たちを批判したことが発端でしょうが、ドイツ人ではありながらフランスの血も引いてい…

巨匠に対する見方の変化

『ジャン・クリストフ』の主人公は創作の新たな段階に進んだようですが、それとともに、ほかの人たちの作品を見る目も変わっています。 いわゆる巨匠の作品についても否定的な面が見えるようになっている様子です。必ずしも正しくはないけれども、成長の段階…

ほとばしる創造力

『ジャン・クリストフ』を読み進めて4分冊の2巻目を読み始めました。 第1巻の終わりに主人公はそれまでの良くない状態から立ち直るきっかけを得ました。その記述についてはこのブログの主にも感じるものがありました。そして、第2巻の冒頭で主人公の状態は大…

できることをする

『ジャン・クリストフ』の主人公は、苦しい日々を過ごす中で、かつて助けを受けていた親戚と話をします。この親戚の助言にはいくつかポイントがあったと思いますが、その中の一つが、できることをする、ということでした。 その時その時にできることをする、…

謹厳で寛容でない人たち

『ジャン・クリストフ』の主人公は、人から道徳的に良くないとされる関係に深く入っていきます。 ある人たちは、そのような主人公を批判します。この人たちは、自らは真面目に生活し、人にもそのようにすることを期待します。期待するだけでなく、押しつけま…

アーダもハイジもアーデルハイド

『ジャン・クリストフ』の主人公はまた新たな女性の登場人物と知り合います。 その人の名はアーダと呼ばれていますが、それはアーデルハイトの略称だそうです。そこで思い出したのが、『アルプスの少女ハイジ』でハイジがロッテンマイヤーさんにアーデルハイ…

ある恋愛の終わり

『ジャン・クリストフ』の主人公のある女性との恋愛はあっけなく終わりました。 これの前の恋愛との間で、主人公としてはどうすることもできずに終わるということが共通していると思います。対策を取れないのが厳しいところです。

余裕

今読んでいるあたりで『ジャン・クリストフ』の主人公が経験している恋愛関係には、互いに牽制し合っているようなところがあります。 相手の女性はそのために何もしなくても男性から好かれる人として描かれていますが、主人公はそのように女性から好かれるわ…

関係の進展

『ジャン・クリストフ』の主人公の近所の人との関係は恋愛関係になっているようです。互いにそのことを明示はしなくても、いずれも相手の思いを承知しています。 その女性は多くの人から好感を持たれているようですが、主人公に住む場所を貸してくれている家…

接近

『ジャン・クリストフ』の主人公は、あまり言葉を交わさずに関係を作ってきた女性と、より近い関係を築いていきます。恋愛に発展するかはわかりません。 この女性はいい加減そうな人で、ドイツ人らしからぬような気がします。しかしながら、そういうドイツ人…

近所の人との無言の関係

『ジャン・クリストフ』を読み進める中で、主人公に近所の人との新しい関係ができます。 互いに無理をして話すよりも無言でいる方が楽につき合いやすいということで、言葉が少ないのですが、興味深いやり取りがありました。その相手は音楽が好きでないようで…

殻から出た蛹(さなぎ)

『ジャン・クリストフ』の今日読んだ箇所では、物の見方が変わるような時期を主人公が過ごしています。 倦怠と不安の日々が続いた後、新しい発見の時期があり、それは新たな幼年時代と表現されています。また、主人公は殻から出た蛹にたとえられています。 …

米国の大統領選挙

今回は本とは違う話題にします。結果が出てから数日経ちますが、米国の大統領選挙についてです。 意外な結果をまだ消化できていないような気がします。大統領になってから何をするかがよくわからないからというのもその理由になっていると思います。 もうあ…

恋愛感情

昨日の記事に書いたように、『ジャン・クリストフ』のある登場人物が主人公に対して恋心を抱いているのですが、その人物の内面の描写が巧みです。 恋愛感情に一度火がつくと、それを持っている人が自らどんどん燃料を供給してさらに燃え立たせる、という様子…

詳しく描かれている人物

『ジャン・クリストフ』のここまで読んできた範囲では、主人公以外の人物の内面が描かれることはあまりありませんでした。ところが、ある人物については内面について詳しい描写があります。 その人物は主人公に恋心を寄せているようです。片想いのようですが…

善良な人たちの煩わしさ

『ジャン・クリストフ』の主人公は、亡くなった祖父の友人の家に部屋を借りて住むように母親と一緒に移っていきます。 部屋を貸してくれている家の人たちについてゆっくりと紹介されています。善良な人たちのようですが、それぞれ欠点もあり、主人公と母親に…

苦しみ

『ジャン・クリストフ』の主人公は幼い頃から安楽な生活はしていなかったと思いますが、ある時期に大きな苦痛に続けて見舞われる中で、人生について深く考えることになります。 幸福を求めるのではなく苦しみにぶつかっていく、ということを主人公は意識し始…

身分

『ジャン・クリストフ』の今日読んだ箇所では、主人公が身分の問題で苦しめられます。気の毒な展開です。 人と人の間に身分の違いがあること自体が良いことだと思いませんが、高い身分にあるならば責任も負い、低い身分の人よりも高いところから物事を見るべ…

初恋

『ジャン・クリストフ』の主人公は、ある女性と恋仲になります。 ほかに女性と仲良くなる機会はなかったようで、初恋です。初恋でありながらも両想いになっているのが珍しく感じられます。 恋をしているために、2人が人に親切になったり、親切になるとして…

人と結びつく記憶

『ジャン・クリストフ』の主人公は、ある親子と知り合って関係が発展していきます。そして、特にその親子のうち母親から、それまで多くの経験を積んできた音楽の方面以外の知識を与えてもらいます。 その中で新たに触れた文学作品については、その親子と記憶…

権威に対する姿勢

『ジャン・クリストフ』の主人公は、権威に対して反発する思いが強いようです。そのことが、おとなしめの友人との対比でよく示されています。 父親が酒に酔っていることが多かったり、学校でも教師との関係がうまくいかなかったり、ということで人を尊敬する…

『ジャン・クリストフ』の主人公には近い友人はいなかったようですが、ある少年と急速に関係が接近しました。 友になってくれるように話したり、熱い思いを込めた手紙のやり取りをしたり、男女間のようなつき合い方をしています。実際、愛している、などとい…

シカゴ・カブスのワールドシリーズ制覇

今日は本とは別の話題にします。 メジャーリーグで歴史的なできごとがありました。シカゴ・カブスが実に108年ぶりにワールドシリーズを制覇しました。文化の日で休みだったおかげで、中継を見ることができました。 頂点まで登りつめることができないこと…

一家を支える役割

『ジャン・クリストフ』の主人公は、家庭の状況の故に、成人する前に一家を支える役割を担うことになりました。 好き好んでではなく、せざるを得ないために責任を負い、体調を崩すほどに無理な生活をしている様子が描かれています。ただし、そのような日々は…

素朴な人

『ジャン・クリストフ』のまだ幼い主人公の周辺には、金銭や名誉に関する欲望を主人公を利用して満たそうとする大人たちがいます。それとは対照的に、素朴な人柄で主人公に影響を与える大人もいます。 ある登場人物は、子どもながらに持っている主人公の虚栄…