3年目の世界文学全集への挑戦

40代既婚の男がふと思い立って世界文学全集に挑んでいます

騎士道

 『谷間のゆり』の主人公は、思いを寄せている夫と子どものいる女性との関係で自制を続けています。

 20歳頃のことを回想している記述となっていて、今日読んだ箇所によれば、当時のフランスにおいて男女間で普通にあるような接触以上には体が近づくことはなかったようです(日本であればもっと男女間の接触は日常的には少なかったのではないかと思います。)。

 忠誠心や女性への奉仕といった性質をこの主人公は示しているように思われますが、それがヨーロッパにあった騎士道ということなのでしょうか。神への忠誠に似た忠誠を相手の女性に献げているように見えます。あまりそれが行き過ぎると現実離れし過ぎて小説としておもしろくなくなってしまう気もしますが、どうなっていくか期待したいと思います。