3年目の世界文学全集への挑戦

40代既婚の男がふと思い立って世界文学全集に挑んでいます

生活の中の匂い

『南回帰線』の主人公は子どもの頃にあまり都心から離れたところに住んでいたわけではなさそうですが、それでも、子ども時代の描写でさまざまな匂いが描き出されている箇所があります。たとえば、馬の死骸が放つ匂いはかなり強そうです。
 昔の方が現在よりも生活の中に匂いがあったのではないかと思います。このブログの主は東京の郊外に住んでいましたが、当時のものでは、家から少し離れたところにあった養豚場の匂いや、ツツジキンモクセイといった花の匂いが印象に残っています。それでも、多くの場合は匂いを意識せずに生活していたと考えます。実際には自動車の排気ガスの匂いなどに気がついていたのだと思いますが、記憶にある匂いがあまりないのは残念な気がします。