3年目の世界文学全集への挑戦

40代既婚の男がふと思い立って世界文学全集に挑んでいます

『テス』を読み終えました

 『テス』を読み終えました。
 最後はまとめて長めに読めたおかげで、急な展開を続けて追うことができました。
 いわゆる普通の状態でないにしても、主人公が夫と再会して共に過ごせるようになったのは良かったと思います。そこでやっと活力をもって生きることができるようになっただろうと思います。
 特に最後の展開が印象に残る作品でした。

大詰め

 『テス』を読み進め、大詰めになってきました。
 主人公がしばらく離れていた夫と再会しそうです。主人公自身はしばらく登場してきていませんが、うれしくない境遇にいることをうかがわせる記述があります。そういう境遇にいるにしても、うまく抜け出せれば良いと思います。

引っ越し

 『テス』の主人公と家族がやむを得ず引っ越しをする場面を読みました。
 目的地に着いても思うようにはいかず、助けてくれる人もいない、とても苦しい状態に陥りました。自らが苦しんでいると、近く感じる気がします。
 結末にかなり近づいていることから、このあたりがどん底ではないかと思います。

強い自責感

 『テス』の主人公と家族は、転居を余儀なくされます。
 複数の原因が重なった結果であると思いますが、主人公はこの転居を自分のせいですることであると考えているようです。主人公のしたことが原因になっている面があるにしても、そうなった理由は別の人の考えにあります。
 主人公はかなり自責感の強い人なのだと考えます。この人物にはそういう場面が多いと思いますが、客観的に見て助言をくれる人がいないことで、そのことに気づくことはできなさそうです。

耕作

 『テス』の主人公が実家のそばで耕作をする場面を読みました。
 人に雇われてでなく自発的に耕作をしているからか、暖かくなっている時期に前向きな作業をしているからか、平和な中で心地良い労働をしているように受け止めました。
 その平和が、相次いで起きた複数のできごとによって乱されたことが残念です。

過去よりも未来

 『テス』の主要な登場人物の2人の間には難しい関係がありますが、そのうちの1人の心に変化が起きる記述を読みました。
 この人物は、相手が過去にしたことよりも未来にすることが大事である、というようなことを考えられるようになったことで、見方が変わりました。
 この考え方は実際に持っていたら良い考え方だと思います。

背教者

 『テス』に自らのことを背教者であると認めている人物が登場します。
 実際に説教をしている場面は出てきませんが、人の話によると伝道に熱心だったことがあるようです。今となっては、信仰よりも特定の女性の方が大事で、その女性との関係も自分本位の求め方をしています。
 特定の女性というきっかけがなくてもちょっとしたことで信仰を捨ててしまったのではないかと想像します。
 こういう姿からも、自らを戒めなければならないと考えます。