3年目の世界文学全集への挑戦

40代既婚の男がふと思い立って世界文学全集に挑んでいます

良い施設

『怒りの葡萄』の主人公たちは、一度腰を落ち着けたテント村を後にして別のところに向かいます。 その結果、設備が良く整っているだけでなく、警察によって追い出されることもないような場所に滞在できるようになります。 安心できるこのような場があること…

罪悪感

『怒りの葡萄』のある登場人物は過去にしたことから来る罪悪感に悩んでいます。 そのことについて人に聞いてもらいたい気持ちもありながら、実際にそうするには至っていません。罪はだれにでもあると言われても、自分の罪は特にひどいと思うことで、それも慰…

買い手市場

『怒りの葡萄』で描かれている社会では、労働力については圧倒的な買い手市場です。 少ない仕事に働きたい人たちが群がり、人を雇おうとする側は足元を見て買いたたく、という図式です。人を雇おうとする側は、保安官補と一緒に移動していることに見られるよ…

自動車の整備

『怒りの葡萄』には自動車の整備をする場面が時々出てきます。 筆者が好きなのか、読者に好きな人が多いことが想定されているのか、それともそういうことは関係ないのかはわかりませんが、少なくともこのブログの主にとっては出てくる名詞からよくわかりませ…

テント村での話

『怒りの葡萄』の主人公たちは、カリフォルニアに入ってから初めてテント村に入ります。 そこで聞いた話によると、保安官補に対しては物事がわかっていないかのように接するのが良いようです。物事がわかっている様子をしていると叩かれる、ということのよう…

移住民

『怒りの葡萄』のいま読んでいる文庫版は上下2巻に分かれており、その上巻を読み終えました。 上巻の最後で、カリフォルニアの住民とほかの州から移ってくる人たちとの衝突が描かれています。財産を持っている側が、財産を持っていない人たちを恐れている、…

過酷な旅

『怒りの葡萄』の主人公たちは、砂漠を中古の自動車で横断します。 記述としては、少し読んでいる間に横断し終えてしまいます。しかしながら、主人公たちと接した直後の地元の人たちの会話から、地元の人たちならばしないような旅であることが示されています…

招かれざる者

『怒りの葡萄』の主人公たちは、カリフォルニアに到着しますが、そこで冷たい扱い受けます。 招かれざる者として、元々の住民から差別的な言葉で呼ばれるようなことが起きます。自分たちの暮らしを新たに加わった人たちから乱されたくないということでしょう…

集会

『怒りの葡萄』を読み進めたところ、ある宗教の集会が行われる記述がありました。 日本にも進出していて、カルトだという評価もあるような宗教です。しかしながら、これまでに読んだ範囲では肯定的に描かれているように思います。

テント村

引き続き『怒りの葡萄』に描かれている、西へ移動する人たちの共同体についての記述を読みました。 「テント村」とされているその場は、滞在し続けることが想定されていない場です。そのため、生産活動はなく、持っているものを消費するだけです。目的地に着…

新たな共同体

『怒りの葡萄』の中で、西に向かって自動車で移動している人たちの共同体ができていく様子見読みました。 困っている者同士で助け合おうという姿勢は、この作品の中で既に見られるものです。それが指導者を持ったり、ルールができたりと、さらに共同体らしく…

「ボリシェヴィスキー」

『怒りの葡萄』の今日読んだ箇所に、主人公が、資産があるが故に人からお金を搾り取ろうとする人物と衝突する場面がありました。 その中で主人公は自分のことをボリシェヴィスキーだと言っています。注がついていて、ボリシェヴィキのことだとしていますが、…

不安を感じさせる話

『怒りの葡萄』の主人公たちはカリフォルニアに向かっていますが、その途中で、カリフォルニアから戻ってきたという人物から話を聞く場面を読みました。 期待していたことと違う話を聞かされ、ショックを受けた様子です。実際に何が事実なのかはわかりません…

自己憐憫

『怒りの葡萄』の今日読んだ箇所では、主人公が、ある自己憐憫は陥っている人物を叱責します。 実際に気の毒な状況はありますが、それが不利に働いているとしても、その他の手をつけられることについて努力していないことを指摘しています。 自分にあるそう…

家族が一緒にいること

『怒りの葡萄』の今日読んだ箇所では、主人公と家族がある決断を迫られます。 その中で、ほぼ全員が賛成した提案についてある人物が強硬に反対して、結論を覆します。家族が別々になって経済面では合理的と思われる道を取るという考え方よりも、家族が一緒に…

少しずつの思いやり

『怒りの葡萄』の記述が再び主人公たちから離れ、別の人たちの言動が記されている場面を読みました。アメリカらしいダイナーでの場面です。 ごく普通の、特に裕福なわけではない、そして特に善良そうなわけでもない人たちが、少しずつの思いやりを困窮してい…

「わたし」から「わたしたち」へ

『怒りの葡萄』にはところどころ登場人物から離れて筆者の考えらしきものだけが記されている箇所があります。 その中で、「わたし」が「わたしたち」に変わることについて書かれたところがありました。一人ではなく、同様の状態にある人が連帯することで、大…

運転初心者

『怒りの葡萄』の今日読んだ箇所で、主人公とその家族と、カリフォルニアへの移動中に出会った夫婦との間の話を読みました。 主人公の家族には自動車に詳しい人がいますが、話し相手の夫婦はそうではないようです。もともと免許証と自動車を持っていたわけで…

土葬

『怒りの葡萄』の今日読んだ箇所では、突然亡くなったある登場人物が葬られます。平常時でないことから、普通であると考えられるような葬り方ではありません。 故郷を後にせざるを得ず遠くへと旅を続けている最中だからこその不自由さがあります。 主人公た…

助け合い

『怒りの葡萄』の主人公たちは、ある場所で野宿をすることになりましたが、そこでたいへんな困難に直面しました。 自分たちだけでできたこともあったでしょうが、ほかの人からの助けを受けることができました。助けてくれた側の人たちにも余裕があるわけでは…

都市

『怒りの葡萄』を読み進めていて、主人公たちの旅が続いています。 都市を通過するところの記述を読みました。都市を初めて見る子どもたちが驚いていますが、確かに、ずっと農村で生活していれば、ちょっとした都市でも日頃見ているものと大きく異なることで…

経済情勢

『怒りの葡萄』の主人公と家族たちがカリフォルニアに向けて移動しているところを読んでいます。 その中で出会った人物と長めに話をしていますが、相手は国の先行きを強く不安に思っている様子です。個人でできることを超えて、経済的に厳しい状況があるよう…

思いやりのある行動

『怒りの葡萄』で人の弱みにつけ込んでもうけようとする商売人についての記述を読みました。カリフォルニアに向けて長い距離を移動している人たちに、移動に必要なものを高い値段をつけて売る人の様子が描かれていました。そのような人は実際に存在したのだ…

人間による耕作と機械による耕作

『怒りの葡萄』の今日読んだ箇所に、地の文で人間による耕作と機械による耕作との違いに関する記述がありました。 命のある人間の土地との関わりと、命のない機械の土地との関わりを対比させています。語り手の立場は、機械による耕作に対して否定的です。温…

持ち物の整理

『怒りの葡萄』の今日読んだ箇所で、主人公と家族たちは故郷を後にします。 そこに至るまでの間に、いくつか印象に残る場面がありました。そのうちの一つは、ある登場人物が、大事にしてきたと思われるものが収められた箱の中を整理する場面です。持っていく…

前倒し

『怒りの葡萄』の主人公と家族たちがカリフォルニアに向けて出発する準備をする場面を読みました。 作業を進める中で、出発までにすべきことを考えた結果、当初考えていたよりも早めに出発することにしたことが印象的です。 先送りではなく前倒しをするとこ…

孤独な人物

『怒りの葡萄』の主人公にとって身近なある人物は、とても孤独な人であるように描かれています。 この人物がしてきたことに関する記述が、孤独さをとても良く伝えているように思います。父親とも弟とも近いところに暮らしていながら、そこでの心のつながりが…

カリフォルニア

『怒りの葡萄』の主人公の家族は、カリフォルニアに移り住もうとしています。 カリフォルニアに行けば果物が豊富になっていたり、働き口がたくさんあったり、という噂話について主人公と母親が話す場面を読みました。実際、米国のほかの地方よりも恵まれた地…

時代の変わり目

『怒りの葡萄』を読み進めたところ、また記述が主人公を離れました。 元々住んでいた地を離れてカリフォルニアへ移り住もうという人が出発の前に家財道具を売る場面を読みました。自動車が普及する中で、動物については有用性が相対的に低くなって、売ろうと…

祖父母と兄弟たちの紹介

『怒りの葡萄』の主人公の両親に続いて、祖父母と兄弟たちが紹介されました。 祖父母が自己中心的な人物として描かれているという印象があります。根っからの悪人ではないにしても、粗野または野卑といった性質を持っているというところではないかと思います…