3年目の世界文学全集への挑戦

40代既婚の男がふと思い立って世界文学全集に挑んでいます

鰮鯨(イワシクジラ)

 『白鯨』を読み進め、また新たに鯨を捕獲する場面を読みました。
 それに続いて、ほかの捕鯨船が鰮鯨(イワシクジラ)という種類の鯨を追いかける記述があります。この鯨は泳ぐのが速く、追いつくのは難しかったようです。
 前回の記事とつながりますが、当時の方法では捕らえられなかったにしても、その後、エンジンを使うようになってからは捕らえられるようになったのではないかと考えます。背景となった時代を映した記述であると思います。

競漕

 『白鯨』の主人公が乗った捕鯨船がドイツの捕鯨船と交流をした後、近くに鯨がいたことから、同じ獲物を狙って争うことになりました。
 ボートを漕ぐので、競漕です。この時代は、エンジンがついたボートを使っていたわけではないことから、乗組員がいかにオールを使って漕げるかが重要です。体力の勝負の時代だったのだと思います。
 その後、エンジンがついたボートを使うようになったでしょうから、より多くの鯨が捕らえられるようになったのだろうと想像します。

ドイツの捕鯨船との出会い

 『白鯨』の今日読んだ箇所に、主人公が乗った捕鯨船がドイツの捕鯨船と出会う場面がありました。
 ドイツがかつては捕鯨の大国でありながら、その規模が縮小していたことを初めて知りました。
 そして、事情によって立場が弱いとはいえ、ドイツの船の側の船長が英語を使って話したと書かれているのが興味深いと思いました。この作品の時代にも、ほかの言葉が第一言語である人たちが英語を話し、その逆ではない、というのが主流だったのでしょうか。

鯨脳油

 『白鯨』を読み進め、主人公が乗った捕鯨船が捕らえた鯨の頭から油を取り出す場面を読みました。
 抹香鯨の頭にある油は鯨脳油と呼ばれ、高級な油だとされているようです。
 この油を取り出す作業の間に、ある事件が起きました。やはり大きな危険と隣り合わせの仕事なのだと思います。

鯨のひげ

 『白鯨』の主人公が乗っている捕鯨船では、主として抹香鯨を捕らえようとしているように思いますが、せみ鯨というほかの種類の鯨も捕らえ、主人公がその両者の特徴について記している箇所があります。
 同じように鯨と呼ばれても、種類ごとに特徴があります。鯨鬚(げいしゅ)と呼ばれる鯨のひげは、傘の骨に使われたりしていたようです。昔の人たちのそのような工夫には感心させられます。

鯨の目

 『白鯨』の今日読んだ箇所では、鯨の頭の様子が詳しく描かれていました。
 特に、目について詳しく記されていました。大きい頭の先端から後ろに行ったところの両側に目があるようです。両側にあるので視界が前を中心としておらずに両側に広くなっていることは魚でも同じだと思いますが、鯨の場合には頭が大きいので、正面はかなり見づらそうです。言われてみればそうだと思いますが、気づいていませんでした。
 鯨の特性として、捕鯨に関して影響がありそうですので、留意しながら読み進めたいと思います。

不一致

 『白鯨』の主人公が乗っている捕鯨船には、少なくとも2つのグループがあるようです。それらのグループの間には溝があり、一致はないように見えます。
 集団で何かを成し遂げようとするならば、内部での一致が非常に重要だと思いますが、この捕鯨船の乗組員にはそれがなさそうです。そして、トップである船長がこの状況を作っており、そのことが乗組員の士気に及ぼす影響は大きいだろうと考えます。一致に向かって前進していけるのでしょうか。