3年目の世界文学全集への挑戦

40代既婚の男がふと思い立って世界文学全集に挑んでいます

イタリアの海

 『ジャン・クリストフ』の主人公のクリストフは、ローマへ移動します。その最中に、鉄道の不具合のために海が見えるところで足止めされます。
 そ景色が気に入ったらしく、クリストフはその地に数日滞在します。スイスからローマへ移動する途中であることから、イタリアの北部です。このブログの主は見たことがありませんが、イタリアの海はきれいだろうな、と思います。
 クリストフはその後ローマに着きますが、ローマでは見たいものがない様子です。人の手によるものには関心がない、といったところでしょうか。

ドイツ人から見たイタリア人

 『ジャン・クリストフ』の主人公であるクリストフは、自分から好んでではなくローマに行くようです。
 そのことについて述べられていた箇所に、北方の人から見た南方の人の印象が記されていました。饒舌で大風呂敷を広げる、というように見ていて、それは昔から続いているようです。
 現代でも、ユーロの危機という話になると、ドイツと、ギリシャやイタリアといった南欧の対立という図式で説明されます。多くの北方の人たちにとって代々受け継がれてきた思いなのでしょう。

人から評価されない芸術

 『ジャン・クリストフ』の主人公であるクリストフは、難しい時期を脱して、芸術家としての創作もハイペースで進むようになりました。
 その作品は、自らの心から出てくるものをそのまま形にしたもののようで、通常の物差しで評価できる範囲を超えている様子です。人からは理解されずとも、芸術家としては最も充実した時期を迎えているのだと思います。
 最後から2番目の巻を読み終え、最後の巻に入ります。

戦う態度

 『ジャン・クリストフ』の主人公であるクリストフが、生きることについて新しい考えを持つ場面を読みました。
 戦う態度を持ち、その戦う動機を自分一人のものとして持つのではなく、人類全体の一部である自分のものとして持つということをクリストフは考えました。
 低迷期から立ち直ったクリストフは、これからどういう方面に進んでいくでしょうか。

再度の彷徨

 『ジャン・クリストフ』の主人公であるクリストフは、しばらく落ち着いていた地を離れてさまよいます。
 生きる目的となってくれることを期待したことが実現せず、目的を失ったような状態になりながらも、生きることを諦めることはしません。
 外をさまよう中で、知った顔を見かけ、その人物の以前とは変わった様子を見るとともに変わった理由を人から聞きます。その人物とこの後で再び関わることはないと思いますので、登場するのはこの場面だけであると想像します。苦しみながらも生きていく力のあるクリストフの姿を浮き上がらせるための存在なのでしょうか。

越えてはいけない線

 『ジャン・クリストフ』の今日読んだ箇所では、主人公であるクリストフがあることについて越えてはいけない線を越えます。そして自らを咎めます。
 ずるずると引きずり込まれる様子は蟻地獄のようでした。読んでいて愉快でない記述でしたが、人間についての事実の一つの表現なのだと思います。そして、クリストフの葛藤する様子は現実味がある気がします。だからこそ読んでいて重苦しさを感じます。

変身

 『ジャン・クリストフ』の今日読んだ箇所では、クリストフのそばにいる静かな女性が大きな変化を見せます。
 その場面より前でも、この人物が意外な面を見せるところはありましたが、それ以上に劇的な変化だと思いました。
 この変身の理由が後で示されるかはわかりません。これまで読んできた中では、理由のようなものは出てきていないと思いますが、それはこのブログの主の読解力の問題である気もします。