若者との関係
『ジャン・クリストフ』を読み進めたところ、少し前にしばらく登場して、もう出てこないと思っていた若者がまた主人公であるクリストフの前に姿を現しました。
クリストフは人生の先輩としてこの人物に諭しを与えますが、聞く側にはあまり影響がないようです。だからといって諦めるわけでもなくクリストフは働きかけを続けますが、心を動かすのは難しそうです。
作品の終わり近くになってこういう関係が出てきて、どのように収拾がついていくのだろうかと思います。
老夫婦
『ジャン・クリストフ』の主人公であるクリストフは、またある人たちと久しぶりに再会します。今回は、しばらく会わないうちに老夫婦となった男女が相手です。
この老夫婦の描写が2人が互いを大切にする様子を示していて、クリストフも感動したようですが、読んでいて温かいものを感じる描き方でした。
独身男性の部屋
『ジャン・クリストフ』の主人公であるクリストフは、最近読んでいるあたりでは、パリで一人暮らしをしています。
あるとき、ある女性に普段の生活のありのままの状態の部屋を見に来られることになりました。話の成り行きにより、断ることも掃除をしておくこともできずにその女性を迎えることになります。
若い男性によくありそうな話だと思いましたが、独身であれば年代を問わずあって不思議はありません。ただし、クリストフの場合は、部屋の状態を恥ずかしく思うことがあっても、そこに置いてあるピアノを演奏することで感動を与えることもできて、そこが普通の人と異なります。
機知と生気に満ちた若者
『ジャン・クリストフ』の今日読んだ箇所は、主人公であるクリストフともう一人の人物の会話が多くの部分を占めていました。
その会話の相手は若い人で、機知と生気とに満ちているというようにいわれていますが、実際におもしろいことを言っていて、クリストフが何度も笑っています。
しかし、ただおもしろいで済ませられないようなことをする面もあります。それでも、クリストフに受け入れられているようです。クリストフにとって元々特別な存在であると思いますが、その態度にも憎めないところがあるということなのでしょう。
再会
『ジャン・クリストフ』が終わりに近づく中で、しばらく前に登場していた人たちが再び主人公であるクリストフの前に姿を現すことが続いています。クリストフがしばらく離れていたパリを再び訪ねることがそれにつながっています。
今日読んだ箇所で描かれていたのは、クリストフにとって以前から知ってはいたものの相互のコミュニケーションが多くはなかった人との再会です。相手との関係を考えると、特にクリストフにとって感動的な出会いだったのではないかと思います。
年齢のとらえ方
『ジャン・クリストフ』を読み進め、かなり終わりに近づいてきました。主人公であるクリストフの年齢は示されていないのですが、それほど高齢だとは思いません。ですけれども、後に続く世代との違いが描かれてもいます。
この作品の背景となっている時代のヨーロッパと現代の日本とでは同じ年齢層の人の位置のとらえ方が異なるという面があると思います。日本でも人生50年という言葉があるように、今とは生きるとされている長さが異なっていた時代があります。
感覚の違いといえば、このブログの主が以前仕事で関わった組織に青年部というものがありましたが、そこでは50歳で卒業することとなっていました。名称から受ける年代のイメージとはかなり違います。
詩集の著者
『ジャン・クリストフ』の主人公であるクリストフは、本屋で詩集を手にして読み始め、それを買って持ち帰って読み、その後で著者を探し当てて直接会います。
その著者はクリストフがもともと知っている人物でした。この人物の再登場は意外でしたが、考えてみるとそうなることになっていく伏線がありました。単純に二人が親しくはなれないところが残念です。それでも、この人物が話から姿を消したままでいなかったことは良かったと思います。